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【映画レビュー】「NO 選挙,NO LIFE」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「NO 選挙,NO LIFE」(2023 日本)
 まずはこのレビューを目にした方々に問います。
 「あなたは選挙に行っていますか?」
 この映画を見た、あるいは興味を示した方であれば、「行っています」と答えるだろう。
 では、さらに問います。
 「岸田内閣の支持率が20%台の“危険水域”にまで落ち込み、不支持が7割を超えているにも関わらず、自公政権が盤石なのは何故だと思いますか?」
 複雑で多様な原因があることは承知の上で、あえて1つの答えを導くとここに行き着く。
 「あなたの周囲の人々が、選挙に行っていない」からだ。
 事実、投票率は国政選挙でも50%程度、地方議員の選挙ともなると20%がやっとというのが、この国の参政意識の現実なのだ。
 そんな選挙という“一大イベント”に魅せられ、早稲田大学を除籍になりながらも、選挙取材に人生を賭けた男がいる。
 選挙取材歴は実に25年。50歳を迎えたフリーランスライター・畠山理仁がその男だ。2017年には、著書『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』では「開高健ノンフィクション賞」も受賞している。
 本作は、彼の選挙への情熱と、お金にならないこの仕事の辞め時を失ってしまった苦悩に迫るドキュメンタリーだ。
 彼のポリシーは「候補者全員を取材し、それが出来なければ記事にはしない」というハードなものだ。国政選挙はもちろん、地方選、米国大統領選挙まで、様々な選挙を取材し。選挙の面白さを伝え続けている。
 そんな畠山が、2022年夏の参院選・東京選挙区で候補者34人全員に取材に挑む姿に密着する。自身は「これが最後になるかも…」と引退を口にしていた。事実、この選挙戦の大詰めの投開票日直前には、安倍前首相銃撃事件が起きていた。「この“直撃スタイル”の取材方法はもう潮時かも…」とも感じていた。
 候補者33人までは取材できたものの、あと1人が捕まらない。その候補者は立憲民主党の蓮舫氏。応援演説に回ることが多い彼女は全国を遊説するため、東京にいることが少ないのだ。
 そんな彼女に会うため、畠山は車を長野まで走らせ、直撃に成功する。といっても、たった20秒の取材だ。そのために2時間をかけて「候補者全員取材」と達成し、満足顔を見せる畠山。
 こんな仕事ぶりで選挙の現場を巡り、睡眠時間は平均2時間、原稿執筆にまで割ける時間もなく、家族がいるにも関わらず、金銭面にも苦労するという生き方を続けているのだ。
 取材対象は、政党の推薦を受けた候補者のみならず、いわゆる“泡沫候補”とよばれる一匹狼の候補者にも及び、丹念にその政治信条や公約を聞き出していく。そこには一切の偏見はない。
 そんな候補者たちはクセの強い人物ばかりだ。「炭を全国でつくる党」「バレエ大好き党」「議席を減らします党」、意味不明な“トップガン政治”を声高に唱える候補者、自らを“超能力者”と自任し、バッティングセンターで「170キロの球も打てる」とうそぶく候補者…。
 大手マスコミからは全く相手にされない候補者に対しても、畠山は話に耳を傾けるのだ。供託金300万円をドブに捨てる覚悟で出馬した候補者に尊敬の念すら抱いているようにも感じる。実際、畠山は“泡沫候補”をいう言葉を嫌う。著書のタイトルにもなった「無頼系独立候補」という呼称には、そうした候補者たちへの敬意が込められている。
 そんな畠山の妻は、夫を「会社に入って働けるような人ではない」と評する。一方で、収入を度外視し、好きな仕事を続ける夫を認め、ネガティブな言葉は口にしない。ただ、2人の息子は何か言いたそうな雰囲気を醸し出してはいたが…。
 畠山は実に物腰が柔らかい、“誠実”が服を着て歩いているような男だ。そんな畠山が一度だけ怒りの感情を露にする場面がある。
 参院選の開票結果で、参政党が議席を獲得し、その得票率によって、「政党」と名乗る要件を満たす。その途端、それまでの約束を反故にし、動画の公開を禁止したのだ。それを受け畠山は、電話で猛烈に抗議する。筋の通っていないことは許せない性分なのだ。それは「引退」を口にしていた男とは思えない迫力だった。
 参院選の取材を終えた畠山は、その直後の沖縄県知事選の取材へ向かう。「今度こそ本当に最後」と決意し、3週間もの滞在で選挙戦を取材する。選挙の度に県を二分する、沖縄県民にとっては一大イベントだ。その争点が「普天間基地」であることは言うまでもないだろう。「沖縄タイムス」と「琉球新報」の沖縄2大紙も、全国紙とは全く異なる論調で、“オール沖縄”を演出する一方で、対立を煽っている側面もある独特の土地柄だ。畠山は沖縄で、選挙への高い参加意識を持つ有権者との出会いを通じて、民主主義の在り方について思い至る。
 一方で、沖縄の選挙は“何でもアリ”の側面も有している。そこら中に候補者な名前入りののぼりが立てられているのだ。本作を見るまで筆者も知らなかったが、この行為は公職選挙法違反となるのだ。
 こうした行為を現職である玉城デニー陣営も平気で行っているのが、沖縄の選挙なのだ。そして、のぼりを見かける度に警察に通報する若者も現れ、カオスの様相を呈する。ある県民によれば、米国の統治下にあった時代の名残だという。
 当然ここでも、畠山は「候補者全員取材」のモットーを胸に取材を続ける。しかし作中では、現職の玉城氏、自公の推薦を受けた佐喜眞淳氏よりも、自民党、民主党、国民新党などを渡り歩き、衆院議員を6期務め、何度も入閣した経験を持つが、この選挙では無所属で出馬した下地幹郎氏の活動に多くに時間を割き、密着している。自転車を駆り、その輝かしい経歴からは考えられないようなドブ板選挙活動に、畠山はカメラとともに追い続ける。
 その結果、玉城氏と佐喜眞氏のデッドヒートの末、わずか6万票で玉城氏は再選を果たす。一方、得票率約8%にとどまった下地氏は供託金を没収されてしまう…。
 物語の最後、「170キロの速球を打てる」と語っていた“超能力者”中村高志氏とともに、畠山の姿はバッティングセンターにあった。空振りし続ける畠山に対し、中村氏はジャストミートを連発させる。自分の言葉に嘘はないことを証明したのだ。
 以降、国政選挙はおろか、政局に影響するような地方議会選挙も行われていない。岸田首相も衆院解散に及び腰だ。かと言って、畠山は引退宣言したワケでもない。本人にとっては、ちょっとした充電期間といったところなのだろうか。
 本作は『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年)、『香川1区』(2021年)、『国葬の日』(2023年)でプロデューサーを務めた前田亜紀がメガホンを取り、上記3作で監督を務めた大島新がプロデューサーとして再度コンビを組み、さらに『劇場版 センキョナンデス』(2023)の監督を務めたラッパーのダースレイダーの「The Bassons」が音楽を担当し、製作されたロードムービー的ドキュメンタリー映画だ。いずれも、政治を題材としながらも、映像作品に昇華させることに関しては、右に出る者はいない映画製作ユニットだ。
 次なる題材はやはり、衆院解散後の総選挙となるのだろう。その時、畠山、並びに前田・大島コンビは、どういった切り口で映像化するのか。今から楽しみだ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://nosenkyo.jp/#modal
<公式X>https://twitter.com/nosenkyonolife?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
<監督>前田亜紀
<プロデューサー>大島新
<整音・効果>高木創
<編集>宮島亜紀
<音楽>The Bassons
#NO選挙NOLIFE #畠山理仁 #映画 #選挙 #前田亜紀 #大島新 #ノンフィクション #ドキュメント #ドキュメンタリー #ネツゲン #政治 #取材 #ナカチカ

なぜ君は総理大臣になれないのか

なぜ君は総理大臣になれないのか

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: Prime Video






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【映画レビュー】「雑魚どもよ、大志を抱け!」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「雑魚どもよ、大志を抱け!」(2023 日本)
 相米慎二の弟子にして、現在、朝ドラ「ブギウギ」の脚本も担当している足立紳の小説「弱虫日記」を自ら映画化した本作。
 昭和末期のとある田舎町、主人公の高崎瞬(池川侑希弥)、瞬の親友でヤクザの父を持つ村瀬隆造(田代輝)、母が新興宗教にハマっている“トカゲ”こと戸梶元太(白石葵一)、イジメを受けながらも映画監督になる夢を持つ西野(岩田奏)、成績はいいが父はおらず母とヤンキーの姉と暮らす星正太郎(松藤史恩)らを軸に、複雑な家庭環境や学校でのイジメ、不良中学生からのカツアゲ、偏見に満ちた教師を含めた大人たちの理不尽な対応などに耐えながら、一日一日、懸命に生きる少年たちの姿をポップに描いている。
 ある日、弱虫な瞬はイジメを見て見ぬ振りしたことがきっかけで、仲間たちとの関係がギクシャクしてしまう。時を同じくして、母・佳子(臼田あさ美)の乳ガンが再発。瞬にとっては苦しい日々が訪れるが、仲間や家族、そして自分のため、瞬は人生で初めて本気で立ち向かっていく青春群像劇だ。
 令和の時代にはあり得ないほどの教師たちの横暴、少年たちの悪ガキぶりをリアルに描いており、どこか懐かしさを感じる。脚本もさることながら、少年たちの演技が素晴らしく、長回しの演出によって、よりリアリティー増している印象だ。それは、脇を固める永瀬正敏、臼田あさ美、浜野謙太といった一流キャストの存在感すらも霞ませるほどだ。
 不良グループとの決闘を経て、その相手と仲良くなる筋書きや、「男の子」から「少年」になっていき、ラストシーンの別れのシーンまで、ノスタルジックな甘酸っぱさを思い出させてくれる作品だ。
 足立紳と全く同学年である自分にとっては、“あの頃って、こんなんだったな~”と感じさせ、145分という長尺作品であることも忘れ、ホッコリとしながらも、感動もある傑作だった。
 決して、老若男女問わず刺さる作品ではないかもしれない。しかしながら、団塊ジュニア世代が“ガキ”だった頃に通ってきた道を描き、強く生きる少年たちが演じながら、同時に鑑賞者にメッセージを伝えているようでもあった。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://zakodomoyo-movie.jp/
<公式X>https://twitter.com/zakodomoyomovie
<監督・原作>足立紳
<脚本>松本稔、足立紳
<製作>與田尚志、佐藤晃子、坂井正徳、狩野善則
<プロデューサー>佐藤現、坂井正徳、足立晃子
<共同プロデューサー>狩野善則
<音楽プロデューサー>津島玄一
<撮影>猪本雅三、新里勝也
<照明>山本浩資
<録音>臼井勝
<美術>高橋俊秋
<衣装>宮本茉莉
<ヘアメイク>大宅理絵
<特殊メイク・造形>飯田文江
<編集>堀善介
<音楽>海田庄吾
<助監督>倉大夏
<スクリプター>渡邉あゆみ
<スチール>内堀義之
<制作担当>柳澤真
<ラインプロデューサー>仙田麻子
<原作>足立紳「弱虫日記」(講談社) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000212732
<主題歌>インナージャーニー「少年」(鶴見river records) https://innerjourneytheband.wixsite.com/officialsite
#雑魚どもよ、大志を抱け! #映画 #足立紳 #松本稔 #池川侑希弥 #田代輝 #白石葵一 #松藤史恩 #岩田奏 #蒼井旬 #坂元愛登 #臼田あさ美 #浜野謙太 #新津ちせ #河井青葉 #永瀬正敏 #インナージャーニー #東映

雑魚どもよ、大志を抱け! [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2023/09/13
  • メディア: Blu-ray






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【映画レビュー】「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(2023 日本)
 ゴールデン街にある小さなバー「カールモール」のバーテンダーであり探偵でもある石破マリコ(伊藤沙莉)がFBI(イアン・ムーア&ハーシェル・ペッパース)から通訳のYUKA(真宮葉月)を通じて、「宇宙人を匿い、歌舞伎町に潜伏している科学者の天本(宇野祥平)を探してくれ」という依頼を受ける。興味半分で依頼を受けるマリコ。
 恋人で、「伊賀麻績新陰服部流」を継承したと自称する忍者のMASAYA(竹野内豊)とともに、歌舞伎町に潜む宇宙人に迫ろうとする。
 マリコの周囲には、別れた娘を捜すという依頼をマリコにしており、現在は落ちぶれ、ラブホテルの清掃員としているヤクザの戸塚六平(北村有起哉)や、ホスト狂いでマリコにカネの無心をしているキャバ嬢の絢香(久保史緒里)、絢香を付け狙うシリアルキラーの南部(松浦祐也)、区役所職員でありながら殺人マシンとして育てられた茂美(中原果南)と貞美(島田桃依)の小金井姉妹などといったクセの強いキャラクターが揃い、それぞれの物語が絡み合っていく。
 物語は6つのエピソードで構成され、1・3・5は片山慎三、2・4・6は内田英治がそれぞれ監督を務める異色作だ。脚本は上記に加え、片山慎三も加わっている。
 制作陣やキャストの名前だけを見れば、ついハードルが上がってしまうが、中身はブラックユーモアに満ち、B級感タップリだ。
 荒唐無稽な設定と、シュール過ぎるストーリー、宇宙人が登場する名作映画へのオマージュなど、様々な要素が闇鍋的に盛り込まれているが、肝心のメインストーリーが曖昧なまま物語が終わってしまった印象だ。最後、マリコの父親殺しの過去、さらにMASAYAとの関係が暴かれてしまう。そういう意味で「生涯で一番悲惨な日」なのかもしれないが、それにも説得力に欠ける。
 歌舞伎町の闇を露悪的に描き、マジックミラー号でのAV撮影シーンも登場するなど、エロ要素あり、コメディ要素ありで、それなりには楽しめるのだが、1本の映画作品として見た場合、全てにおいて中途半端に見える。
 一流監督に人気キャストを揃え、あえてB級作品として製作されたのであれば合点がいくが、かなりの部分で“見る人を選ぶ”作品といえるのではないだろうか。
<評価>★☆☆☆☆
<公式サイト>https://detective-mariko-movie.jp/
<公式X>https://twitter.com/detectiveMariko
<公式Instagram>https://www.instagram.com/detectivemariko/
<公式TikTok>https://www.tiktok.com/@detectivemariko
<監督>内田英治、片山慎三
<脚本>山田能龍、内田英治、片山慎三
<プロデューサー>菅谷英智、藤井宏二、尾関玄
<撮影>岸建太朗
<照明>尾崎智治
<録音>平直樹
<美術>松塚隆史
<衣装>百井豊
<ヘアメイク>板垣実和
<編集>小美野昌史
<音楽>小林洋平
<助監督>井手博基
<サウンドデザイン>岩丸恒
<制作プロダクション>Libertas
<主題歌>Da-iCE「ハイボールブギ」(avex trax) https://da-ice.jp/discography/detail.php?id=1019753
#探偵マリコの生涯で一番悲惨な日 #映画 #内田英治 #片山慎三 #伊藤沙莉 #竹野内豊 #北村有起哉 #宇野祥平 #久保史緒里 #松浦祐也 #高野洸 #中原果南 #島田桃依 #伊島空 #黒石高大 #真宮葉月 #阿部顕嵐 #鈴木聖奈 #石田佳央 #山田能龍 #探偵 #FBI #宇宙人 #忍者 #PG12 #Da_iCE #ハイボールブギ #東映

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2023/11/08
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【映画レビュー】「スイッチ 人生最高の贈り物」(原題「스위치」・英題「SWITCH」/2023 韓国) [映画]

【映画レビュー】「スイッチ 人生最高の贈り物」(原題「스위치」・英題「SWITCH」/2023 韓国)
 本作は、一流俳優とそのマネージャーが入れ替わってしまうという幕明けから、2人のみならず、その周囲にも騒動が波及するドタバタ劇あり、感動ありのドラマだ。
 主役はコメディーからアクションまで演じ分けるクォン・サンウ。主演男優賞を受賞し、出演オファーが絶えないながらも、そのワガママぶりと、奔放過ぎるシングルライフで、マネージャーを始め、監督ら製作スタッフを困らせてばかりの人気俳優「パク・ガン」を演じている。
 舞台は雪が舞うクリスマスイブのソウル。映画賞授賞式のトロフィーを手に、マネージャーのチョ・ユン(オ・ジョンセ)と街に繰り出す。食事を済ませ、タクシーで帰宅するガン。そのタクシー運転手から、不思議な問いかけが投げつけられる。
 「もし、今と違う人生を生きるならどうしますか?」
 目を覚ましたガンの目の前に現れたのは、俳優同士だったものの、互いの成功するために一方的に別れを告げ、しかも、授賞式で、授賞者とプレゼンターという立場でありながら、ステージ上では小声で罵り合うほどの犬猿の仲である、かつての恋人スヒョン(イ・ミンジョン)。さらに、見覚えのない双子の子どもがいる。さらにその家は、ソウル郊外の庶民的な住宅地で、家も賃貸物件。愛車もファミリー向けの小型車…。
 悪夢を見ていると信じるガンは、自分が住んでいた高級マンションの部屋に向かうが、そこには既に他の住人が…。「ここは俺の家だ!」と言い張るが、不法侵入者として、警察のご厄介になってしまう。
 あくる日、テレビを見たガンは信じられない光景を目にする。マネージャーとしてコキ使っていたはずのユンが、“超人気俳優”として出演していたのだ。
 どうやら、乗ったタクシーでガンとユンの人生が入れ替わってしまったようだ。しかし、その現実を認めたくないガンは、悪あがきするものの、全ては裏目に出てしまう。
 妻のスヒョン、そして2人の子どもを養うために、ユンのマネージャー兼エキストラ俳優として生きる決意をする。
 “前世”でセレブ生活を経験したガンにとっては屈辱の連続だったものの、かつては愛し合ったスヒョン、そして、自分に懐いてくれる子どもたちのため、まるで昔の自分のようなスキャンダルメーカーのユンの下で奔走する。
 そんなガンにチャンスが訪れる。ユンが主演する時代劇のキャストの1人がドタキャンし、その代役として声がかかる。馬に乗って疾走する難役だったが、そこは“元一流俳優”のガン。難なく演技をこなし、監督を驚かせる。
 徐々に活躍の場を広げていくガン。その人気も上昇し、ユンに追いつかんばかりとなる。
 そして、再び訪れるクリスマスイブの夜。ガンが受賞した映画賞を、今度はユンが受賞する。そして、1年前に2人で食事した時と同じ店に入る。そこでユンは恋人がいることを告白し、「出来れば、お前と入れ代わりたいよ」とガンに軽口を叩く。
 ユンを見送り、自らもタクシーで帰宅の途に就くガン。しかしその運転手の横顔を見て驚く。1年前に乗ったタクシーを同じ人物だったのだ。
 彼曰く「もう1つの人生は、家族と一緒で幸せでしたか?あっという間でしたね」。
  そして、元の人生に戻らなければならないことを告げる。家族がいる幸せを知ってしまったガンは抵抗するものの、運命は変えられないと語る謎の運転手。
 自宅に戻り、かけがえのない時間を過ごした子どもたちから「パパ大好き」と言われ、思わず涙するガン。ベッドルームでスヒョンからの「明日も今日みたいな日ならいいな」という言葉とともに眠りに就く。
 そして、目が覚めると、元の世界に戻っていた。しかしガンは、マネージャーであるユンや周囲の人物にも気配りを欠かさない、優しい男に変貌を遂げていた。
 現世でスヒョンと再会したガンは、彼女をタイムワープしたかつての自宅に連れ出し、「大事な話がある」と、自分が経験した、幸せ溢れる1年間の出来事を語る。
 そして、運命に抗ったガンには、思わぬハッピーエンドが訪れるのだった。
 2人の人生が一夜にして180度入れ替わるという奇想天外なストーリー展開ながら、長い人生で誰しもが経験する後悔や心残りを見つめ直し、真の幸せを掴むハートウォーミングな物語だ。
  韓流ブームを牽引し、“涙の貴公子”の異名を取るクォン・サンウが、両極端なキャラクターを演じるというコメディーに挑み、演技の幅の広さを見せている。
 全般的にはコメディータッチでストーリーは展開されるのだが、見終わった後、とても心が温かくなるマジカルファンタジー作であることに気付かされる。身近な人に対して、少しだけ優しくなれる…クリスマスにピッタリな一作だ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://sangwoo-movie.com/
<監督>マ・デユン
#スイッチ #人生最高の贈り物 #映画 #マ・デユン #クォン・サンウ #オ・ジョンセ #イ・ミンジョン #パク・ソイ #ロハキム・ジュン #韓国 #コメディ #ツイン #TWIN #Hulu







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【映画レビュー】「夜明けまでバス停で」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「夜明けまでバス停で」(2022 日本)
 2020年11月の深夜、バス停のベンチで眠りこんでいるホームレスの北林三知子(板谷由夏)。そこに男が、石を入れたコンビニ袋を三知子の頭めがけて振り降ろそうとするシーンで始まる本作。
 実際に、2020年に起きた渋谷ホームレス殺人事件から着想を得た梶原阿貴による脚本の作品で、コロナ下における貧困・社会的孤立を描いている。
 本作では最終的に、三知子は襲われる前に助け出されるのだが、主人公・三知子を襲う貧困や孤独、パワハラや外国人労働者への差別的扱いなど、コロナ禍で明らかとなったこの国の負の側面を詳らかにしている。
 45歳の北林三知子は、昼は手作りアクセサリーを売り、夜は居酒屋でバイトし、別れた夫の借金を肩代わりしていた。一方で、居酒屋のマネージャーで創業者の息子の大河原聡(三浦貴大)は、店の売上金を着服していた挙げ句、女性従業員へのパワハラやセクハラを続けていた。
 横領に気づいた三知子らを疎ましく思う聡は、コロナ禍での業績悪化を言い訳に、一方的に解雇する。
 寮も追い出され、体一つでスーツケースを抱えてホームレスとなる三千子。しかし三千子は、家族も頼れず知人にも弱みを見せられないために孤立する。ホームレスの集う公園に辿り着き、派手な格好をした元芸者の古参ホームレス(根岸季衣)や、爆弾を作ることで自己表現する“バクダン”と呼ばれる老人(柄本明)と知り合う。
 店長の寺島千春(大西礼芳)は、聡が三千子らの退職金を着服したことに気付く。聡のパワハラやこれまでの横領も含めて会社に報告した千春は、辞表を提出して三千子が寝泊まりしているバス停に向かう。三千子に声をかけ、男の襲撃を防いだ千春は、退職金を三千子に手渡すのだった。ところが、三千子が千春にかけた言葉は「あなた、爆弾に興味ない?」だった。
 ピンク映画から身を立て、ヤクザ映画で経験を積み、社会派に転じた高橋伴明監督の本領が発揮され、実際のニュース映像が使用されるなど、多分にノンフィクションに寄せた作品で、コロナ禍で明かされた人間の醜悪さ、社会の冷酷さを映し出している。
 そして現在、3年間にも渡ったコロナ禍は過去の話にように語られるが、本当にそうだろうか。たった1つのウイルスのせいで、人々の繋がりは確実に希薄となり、行き場を失った少女たちは“トー横”に集い売春に明け暮れている。コミュニティは破壊され、「絆」なんて言葉は嘘っぱちだと、全ての人たちが気付いてしまった。社会のコミュニティよりもホームレス同士のコミュニティの方が、よっぽど強固であることを本作は示している。
 インバウンド需要が増える中、飲食業や宿泊業などのサービス業で人手不足が叫ばれているが、当たり前だ。景気が悪くなれば雇い主の胸三寸で簡単にクビにされる業種に人材など集まるわけもない。因果応報なのだ。そんな業界はせいぜい淘汰されればいいとさえ思う。
 主演の板谷由夏以下、錚々たるキャストが名を連ねているが、三浦貴大の嫌味なボンボン役、さらに爆弾製造のノウハウを三知子に伝えるホームレス役の柄本明の怪演が光る。
 エンドロールで、国会議事堂が爆破される映像が挿入されるが、コロナ禍に苦しむ中、この国で暴動めいた事件は起きなかった。こんなにも不条理な世の中になっても、日本人は拳を上げることを諦めたのだ。おそらくこれを「平和ボケ」と呼ぶのだろう。
 ややもすれば左翼プロバガンダ映画とも受け止められかねないストーリーだが、“あの時期”に起きた出来事をストレートに描いた傑作といえるだろう。
<評価>★★★★★
<監督>高橋伴明
<脚本>梶原阿貴
<製作>人見剛史、小林未生和、長尾和宏、高橋惠子
<エグゼクティブプロデューサー>鈴木祐介
<プロデューサー>角田陸、小林良二、見留多佳城、神崎良、佐久間敏則
<撮影監督>小川真司
<照明>丸山和志
<録音>植田中
<美術>丸尾知行
<装飾>藤田徹
<衣装>青木茂
<ヘアメイク>結城春香
<VFX>立石勝
<編集>小川真司
<音楽>吉川清之
<助監督>塚田俊也
<アクセサリー指導>ななし・水城
<制作>櫻井陽一
<主題歌>Tielle「CRY」(WARNER MUSIC JAPAN) https://wmg.jp/tielle/discography/27312/
#夜明けまでバス停で #映画 #高橋伴明 #梶原阿貴 #板谷由夏 #大西礼芳 #三浦貴大 #松浦祐也 #筒井真理子 #根岸季衣 #柄本明 #柄本佑 #ルビー・モレノ #片岡礼子 #あめくみちこ #土居志央梨 #幕雄仁 #鈴木秀人 #長尾和宏 #下元史朗 #福地展成 #小倉早貴 #山上賢治 #安部智凛 #高橋K太 #大山雄史 #榊原美鳳 #山沖純 #和田修昌 #Tielle #新宿 #貧困 #ホームレス #コロナ #渋谷プロ

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  • 出版社/メーカー: ライツキューブ
  • 発売日: 2023/05/25
  • メディア: DVD






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【映画レビュー】「ファミリア」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「ファミリア」(2023 日本)
 陶器職人として山里に暮らす神谷誠治(役所広司)の元に、仕事でアルジェリアに赴任していた息子の学(吉沢亮)が、難民女性だった婚約者のナディア(アリまらい果)と共に里帰りする。一時帰国した学は、結婚を機に仕事を辞め、陶器職人を継ぐと伝えるが、誠治は反対する。
 一方、隣町の団地は不良外人の巣窟で、在日ブラジル人青年のマルコス(サガエルカス)も半グレに追われてしまう。マルコスは助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つ。
 しかし、アルジェリアに戻った学とナディアは、テロに巻き込まれ命を落とす。
 現在、280万人の外国人が暮らすといわれる日本で、実際に起きた事件などをヒントに、いながききよたかのオリジナル脚本を映画化した。
 血縁や国籍などを超えた様々な「家族」の物語が絡み合っていく物語だ。陶器職人である誠治と息子夫婦との交流。在日ブラジル人やその家族との交流。半グレ集団とブラジル人との理不尽な争い…。そして学とナディアを襲うテロ。それぞれの家族にそれぞれの人生があり、在日ブラジル人を執拗に追いかける半グレのリーダーの榎本海斗(MIYAVI)にも、妻子をブラジル人の飲酒運転で殺されたという過去があった。
 榎本はブラジル人全体に憎しみの感情を持ち、暴行、殺人、覚せい剤の売人をさせるなど、やりたい放題。マルコスもその標的にされるが、誠治は文字通り、差し違える形で半グレグループの逮捕につなげる。
 息子夫婦を失った誠治の下で、マルコスは“家族”として、陶器職人の道を継ごうとする。
 様々な形の“ファミリア”を表現したストーリーなのだが、主役の役所広司や、刑事の駒田隆を演じた佐藤浩市の演技によって、何とか形にはなっているものの、シナリオには粗が目立ち、不良外人や半グレの描写には、やや“盛り過ぎ”な点が気になる。
 しかしながら、キノフィルムズお得意の“感動の大安売り”は、本作に関してはやや控えめな印象で、その点だけが救いだった。
<評価>★★☆☆☆
<公式サイト>https://familiar-movie.jp/
<公式X>https://twitter.com/familia_movie
<監督>成島出
<脚本>いながききよたか
<製作総指揮>木下直哉
<製作>野儀健太郎
<プロデューサー>伊藤伴雄
<撮影>藤澤順一
<照明>豊見山明長、上田なりゆき
<録音>藤本賢一
<美術>金田克美、中山慎、竹内悦子
<装飾>大坂和美
<衣装>宮本茉莉
<メイク>田中マリ子
<編集>阿部亙英、三條和生
<音楽>安川午朗
<音楽プロデューサー>津島玄一
<音響効果>岡瀬晶彦
<助監督>谷口正行
<スクリプター>赤澤環
<キャスティング>杉野剛
<アシスタントプロデューサー>座喜味香苗
<制作担当>田辺正樹
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  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2023/06/02
  • メディア: Blu-ray






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【映画レビュー】「1秒先の彼」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「1秒先の彼」(2023 日本)
 台湾映画「1秒先の彼女」(2020)を、監督・山下敦弘と脚本・宮藤官九郎でリメイクした作品。
 「1秒先の彼女」から男女のキャラクター設定を入れ替え、京都を舞台に、周囲よりワンテンポ早い男性・ハジメ(岡田将生)とワンテンポ遅い女性・レイカ(清原果耶)の“消えた1日”をめぐる物語を描いていく。
 大学受験に失敗し、コンプレックスを抱きながら郵便局の窓口で働くハジメは、何をするにも人よりワンテンポ早い。妹の舞(片山友希)やその彼氏ミツル(しみけん)にも、見た目は100点だが中身は0点と言われてしまうほどだ。
 ハジメの勤務先の郵便局に、わざわざ窓口で切手を買って手紙を出しに来る、根暗な女子大生のレイカが来るが、ハジメに気に留める素振りはない。
 ある日、ハジメはストリートミュージシャンの桜子(福室莉音)と出会い、恋をする。父親の病気の治療のため40万足りないと言った桜子のため、七夕の日に開催されるカップルコンテストに出場し、賞金を獲得しようと考える。そして当日、朝起きたハジメはバスに乗る。賞金を獲得出来なかったときのために40万円を用意していたが、金が入った封筒をスリが狙う。ふと目を覚ますと、日焼けした状態で布団の中にいました。どうやら周りは月曜日になっていて、ハジメの中で七夕の日である日曜日が抜けていたのだ。
 ハジメは昨日をなくしたと交番に駆け込む。その後、街の写真館でレイカと映っている見覚えのない写真を見つけ、不思議に思っていると、いつものように郵便局にやってきたレイカが日焼けしていることに気付く。
 写真館の主人に写真の場所を尋ねると、天橋立ではないかと話す。急いで天橋立にある郵便局に行き、私書箱を開けようとするが開きない。そして、家にある何の鍵か分からなかった鍵を使ってみたところ、私書箱が開く。中にはレイカからの手紙と写真がたくさん入っていた。ここでハジメはレイカの事を思い出します。
 レイカはハジメとは逆で何をするにも遅く行動してしまいう。そんなレイカのハジメとの出会いは両親が起こした交通事故で、レイカが重傷を負い入院した病院だった。隣の病室にいたハジメはレイカを励ましてくれたのだ。
 そしてレイカが退院の日、ハジメとレイカは私書箱で文通をしようと約束する。両親を亡くしたレイカは天橋立のある親戚の所に引き取られ、その後、約束は果たされることはなかった。大人になり、偶然にもハジメを見かけたレイカは、ハジメが働いている郵便局から私書箱宛に手紙を出し始める。
 当然、ハジメはレイカを覚えていなかった。レイカはハジメと恋仲となった桜子が、実は美人局であることを知り、ハジメもその標的だったことを知る。カップルコンテストの話をした日もレイカは2人をこっそりつけて、話を聞いていた。そして2人が別れたあと、桜子に文句を言うが、逆に川に突き落とされてしまう。
 翌朝、大学の屋上で寝ていたレイカが目を覚ますと、不思議な現象に気付く。レイカ以外の時間が止まっていたのだ。唯一動いていたバスの運転手ミクルベ(荒川良々)が運転するバスの中で、止まっているハジメを見つけ、ミクルベにお願いして天橋立まで連れて行ってもらう。
 そして天橋立で止まっているハジメと写真を撮ったり、楽しい時間を過ごす。帰りのバスの中、後部座席からクシャミが聞こえました。そこには止まっている振りをしていたハジメの父親だった。ハジメの父親は、みょうがを買ってくると言ったきり行方不明となっていた。
 バスはハジメの実家に向かい、ハジメの父親は止まっているハジメの母親にみょうがを握らせる。レイカはハジメと両親の写真を撮ってあげて、去り際に、ハジメの父親はハジメにパピコを買って帰る約束を思い出し、それをレイカに託す。
 ハジメを家に連れて帰ったレイカは、ハジメを布団に寝かせてキスをしようとするが思いとどまる。バスの中でスリに遭っていた40万円をレンジの中に入れて去っていく。翌日、レイカは“日曜日”を盗まれたと騒ぐハジメがいる郵便局で、いつものように私書箱宛に封筒を出す。
 その後、レイカはパピコを買うのを思い出し、立ち止まった時に突っ込んできたトラックに轢かれてしまう。
 それから363日が過ぎ、レイカのことを思い出していたハジメは、どうにかしてレイカに会おうと天橋立の郵便局に異動していた。そこに、ようやく松葉杖をついたレイカがパピコを持って現れる。泣きそうなハジメはレイカに「なんで?」と告げるのだった。
 原作の「1秒先の彼女」の主人公2人と比べ、岡田将生と清原果耶では“華があり過ぎる”キャスティングと思いきや、岡田将生はしっかりと三枚目を演じていたし、清原果耶は“陰キャ”な女子大生という珍しい役柄を好演していた。また、周囲の時間が止まり狼狽えるバスの運転手・ミクルベ役の荒川良々と、ハジメの父役の加藤雅也も良い味を出していた。
 さらに、舞台設定を東京ではなく、景観が綺麗で、自然豊かな天橋立もある京都にしたのも、良いチョイスだった。京都弁で進むストーリーは、テンポの良さも生んでいたように感じる。
 原作のファンタジーさを残しながらも男女を逆にした設定によって、マイルドさが増し、お笑いパートが多めになった印象だ。クドカンが脚本ならば、もっと面白く出来そうでもあるが、そこは出しゃばり過ぎずに原作を尊重し、ブラックさも交えながら、“らしさ”を加えた軽妙な作品に仕上げていた。
<評価>★★★☆☆
<公式サイト>https://www.bitters.co.jp/ichi-kare/#
<公式X>https://twitter.com/ichikare_movie
<公式Instagram>https://www.instagram.com/ichikare_movie/
<公式Facebook>https://www.facebook.com/IchikareMovie/
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<監督>山下敦弘
<脚本>宮藤官九郎
<プロデューサー>根岸洋之、定井勇二
<ラインプロデューサー>植野亮
<撮影>鎌苅洋一
<照明>永田ひでのり
<美術>松尾文子
<装飾>中込秀志
<録音>小宮元
<衣装>江口久美子
<ヘアメイク>酒井啓介
<音響効果>廣中桃李
<編集>佐藤崇
<音楽>関口シンゴ
<助監督>長尾楽
<制作担当>坂口智久
<主題歌>幾田りら「P.S.」(SONY MUSIC) https://www.youtube.com/watch?v=uQEsu8tDT60
<原作>チェン・ユーシュン「1秒先の彼女」 https://www.bitters.co.jp/ichi-kano/
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1秒先の彼 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2023/12/22
  • メディア: Blu-ray






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【映画レビュー】「1秒先の彼女」(原題「消失的情人節」/英題「My Missing Valentine」/2020 台湾) [映画]

【映画レビュー】「1秒先の彼女」(原題「消失的情人節」/英題「My Missing Valentine」/2020 台湾)
 台湾のアカデミー賞「金馬奨」で5部門を受賞したファンタジー色が強いラブストーリー。何をするにもワンテンポ早いアラサー女子のヤン・シャオチー(リー・ペイユー)は、台湾独特のイベント「七夕情人節(チャイニーズバレンタインデー)」にデートの約束をしたものの、目覚めるとなぜかその翌日になっていた。その1日が消えた理由を探り始める。
 シャオチーは小さい頃から何をするにもワンテンポ早い女の子。徒競走のスタートや映画の笑う所、写真を撮る時もワンテンポ早いので、どの写真も目をつむってしまう。目覚まし時計をかけてもいつも目覚まし時計より早く起きてしまうほどだ。
 バスの運転手ウー・グアタイ(リウ・グァンティン)は毎日、手紙を出しに郵便局にやってくるが、シャオチーにとってはただのキモい常連客でしかなかった。
 美人の後輩・ウェン(ヘイ・ジャアジャア)が若くてチヤホヤされるのを横目に、出会いのない日々にウンザリしていたシャオチーだったが、バレンタインを目前にしたある日、イケメン男子のリウ・ウェンセン(ダンカン・チョウ)に声をかけられる。
 ワンテンポ早いシャオチーにも気にせず優しい言葉をかけるウェンセンに、シャオチーは有頂天になる。さらに、ウェンセンからバレンタインの日にデートに誘われる。
 ウェンセンは身寄りのない女の子の心臓移植で金がいるなどと話している事から、目的は金なのだが、舞い上がっているシャオチーは気づきもしない。
 そしてバレンタインの日、いつもは目覚まし時計の前に目が覚めるシャオチーだが、寝坊してしまう。大急ぎで外に出たシャオチー、待ち合わせの場所に向かうと、バレンタインは昨日でもう終わってしまっていた。
 訳のわからないシャオチーはなぜか日焼けしており。ウェンセンに電話しても繋がらない。シャオチーは、町の写真屋に撮った覚えのない自分の写真を見つける。それはいつものとは違い、目を瞑っている写真ではなかった。
 バレンタインが消えたと困惑するシャオチー。一方、グアタイがいつものように手紙を出しに郵便局にやってくる。グアタイはシャオチーと同じように日焼けし、顔を腫らしていた。
 グアタイはシャオチーとは逆に、何をするにもワンテンポ遅い少年だった。グアタイは幼い頃に両親を亡くし、叔父の紹介でバスの運転手をしていたのだった。
 実はグアタイはシャオチーとは面識があり、ずっと憧れの存在だった。グアタイがわざわざ郵便局を訪れ、手紙を出し続けていたのは、かつて少しだけやり取りがあったシャオチーに会うためだった。
 空白の1日の謎を解くために動いていたシャオチーは、私書箱の鍵を手に入れる。それがこれまでの不思議な出来事に繋がると信じ、その鍵が開く私書箱を探し出そうとする。
 バレンタイン前日の夜、グアタイが運転するバスにシャオチーとウェンセンが乗っていた。シャオチーが降りた後、ウェンセンがシャオチーを騙しているという話を聞いたグアタイは激昂し、ウェンセンとケンカになってしまい。グアタイの顔の腫れの理由が分かる。このことで、ウェンセンの魔の手からシャオチーを守ったのだ。
 そしてバレンタインの日、グアタイ以外の時間が止まってしまう。グアタイは止まっているシャオチーを見つけ出すとそのまま思い出の場所に連れていき、動かないシャオチーにいろいろなポーズを取らせ写真を撮る。シャオチーを連れた帰り道、グアタイは自分以外にこの世界で動く男と出会う。男はこの不思議な日は時間の利息なんだと話す。
 グアタイはその男が行方不明だった父親だという事を知る由もなかった。グアタイはシャオチーを連れ帰り、ベッドに寝かす。そして、ためらいながらも額にキスをして去る。
 グアタイの不思議な1日が終わり、再び日常が戻る。シャオチーは地方の郵便局でグアタイの手紙を見つける。その手紙を読んだシャオチーはグアタイにどうしても会いたくなる。
 そしてその私書箱のある郵便局に移り住み、シャオチーとグアタイは再会することになったのだった。
 なかなか斬新なストーリーと、表情豊かなリー・ペイユーの演技によって、笑えながらも最後には感動を呼ぶファンタジー作となっている。シャオチーにとって“気持ち悪い客”でしかなかったグアタイが、実は恩人であったというストーリーも心地良かった。
 ワンテンポ早い女性とワンテンポ遅い男性の出会いや、過去の苦労も描かれており、伏線もきちんと回収されている点も点も高ポイントだ。
 単なる「ラブストーリー」として括るのが難しいような世界観の作品だが、後に日本でリメイクされたように優秀な脚本で、ファンタジー要素あり、コメディー要素ありで見どころ満載の娯楽作だ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://www.bitters.co.jp/ichi-kano/
<監督・脚本・撮影>チェン・ユーシュン
<製作総指揮>イェ・ルーフェン、リー・リエ
<美術>ワン・ジーチョン
<編集>ライ・シュウション
<音楽>ルー・リューミン
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1秒先の彼女 期間限定スペシャル・プライス [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2023/06/30
  • メディア: Blu-ray






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【映画レビュー】「ケイコ 目を澄ませて」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「ケイコ 目を澄ませて」(2022 日本)
 日本初の聴覚障害者の女子プロボクサー・小笠原恵子氏の自伝本を原案とした実話ベースの作品。
 下町の小さなボクシングジム「拳闘会」を経営する会長(三浦友和)と、その妻(仙道敦子)は、聴覚を失い、荒れた高校生活を送っていた小河ケイコ(岸井ゆきの)を受け入れ、鍛錬を重ねたケイコはプロ試験に合格。デビュー戦を勝利で飾る。
 ケイコは練習の傍ら、昼間はホテルの清掃の仕事をしている。弟の聖司(佐藤緋美)と一緒に暮らすが、弟に対してはいつもつっけんどんな態度を取るが、逆をいえば、唯一、心を開ける相手でもある。
 プロデビュー戦には母が駆け付け、勝利を見守ったが、ケイコに「いつまで続けるつもりなの?プロになれたことでもう十分すごいよ」と声をかける。複雑な思いがケイコの心の中に溜まっていく。
 ある日、会長のもとに、スポーツ紙の記者がケイコについて取材にやってくる。「小河さんは才能がありますか?」と問う記者に会長は「才能はないなぁ。体も小さいしリーチもないし…。でも彼女は人間としての性根がいいんですよ」と応える。
 しかしその頃、ケイコはボクシングに対して迷いが生じていた。「休みたい」と書いた会長宛ての手紙をジムのポストに入れようとするが、結局できずにいる。
 そして、会長は健康を理由にジムが閉鎖することを全員に打ち明ける。
 トレーナーの林誠(三浦誠己)は、ケイコを受け入れてくれるジムを探すため、かたっぱしにボクシングジムに電話をかける。さらに会長が動き、とあるジムから引き受けてもいいと言う返事を得る。
 トレーナーと共に、ケイコがそのジムを訪れると、そこは最新設備が揃った大規模なジム。女性トレーナーはiPadの音声入力を駆使し、ケイコに話しかける。
 しかしケイコは、iPadに「家から遠いので難しいです」と書き込む。トレーナーの松本進太郎(松浦慎一郎)は「会長が動いてくれたんだぞ」と彼女を叱るが、結局、ケイコはこの話を断り、松本を失望させる。
 部屋に帰ると弟のガールフレンドのハナ(中原ナナ)が来ており、弟に教えてもらったという覚えたての手話でケイコに挨拶をする。いつも厳しい表情ばかりのケイコに笑みが戻る。
 ケイコは次の試合のため、ジムで練習に励んでいましたところ、会長が倒れたという知らせが入る。幸い命に別状はなかったものの、脳に腫瘍があり容態は芳しくない。妻は「いつかこんな日が来るのではないかと思っていた」と語る。
 ある日、妻が病室に着くと、ケイコが見舞いに来ていた。妻はケイコがノートにミットの絵を描いているのを見て、ノートを見せて欲しいと頼む。それはケイコが毎日書きつけているボクシングの練習日誌だった。
 ついにプロ2戦目の日がやってくる。会長はその試合を妻と共に、配信で観戦した。また、ケイコの母もハナと一緒に部屋で試合を観戦した。
 試合では、相手に足を踏まれて倒れたのをダウンに取られて、ケイコは足を踏み鳴らして抗議するが認められず、リズムが狂ったケイコは、相手のパンチをもろに受けダウンし敗れてしまう。
 その試合後、ついにジムを閉じる日が訪れ、ジムからは全ての物が運び出される。ケイコの元にも初勝利の記念写真が送られてきた。
 荒川の河川敷にたたずむケイコ。そのケイコに誰かが近づいてくる。それは前回の対戦相手だった。「ありがとうございました」と彼女はケイコに挨拶し、去っていきました。その後ろ姿を見送ったあと、ケイコは会長にもらった赤いキャップをかぶり、再び走り出すのだった。
 よく訓練されたボクシングシーンのみならず、1人の女性としてケイコが生きていく姿を、岸井ゆきのが全身で表現し、俳優としての奥の深さを見せている。日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞受賞も納得の演技だ。
 ボクシングに命を懸けている人であれば、時には怖いと感じ、悩む瞬間がある、そうした細やかな感情の機微も見事に演じ切っている。
 会長を演じる三浦友和の包容力豊かないぶし銀の演技も、本作を通じて締まったものにしている。さらに、キャストと共に、目を奪われるのが、荒川沿いの景色だ。その光景を忘れず記憶しておこうとするかのように、ケイコがフレームから姿を消したあとも、エンドロールに重なって河川敷から見える電車や街の灯り、複雑に交差した高速道路といった風景が映し出され、印象的なラストシーンとなっている。
 実話に基づいた脚本、キャストたちの演技、映像美も併せて優れた作品に仕上がっている。そして、小笠原恵子という奇跡的なアスリートがいたことに感動し、さらに見終わった後に“目を澄ませて”というタイトルの意味が理解できるのだ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://happinet-phantom.com/keiko-movie/
<公式X>https://twitter.com/movie_keiko
<公式Instagram>https://www.instagram.com/movie_keiko2022/
<監督>三宅唱
<脚本>三宅唱、酒井雅秋
<製作>狩野隆也、五老剛、小西啓介、古賀俊輔
<エグゼクティブプロデューサー>松岡雄浩、飯田雅裕、栗原忠慶
<企画・プロデュース>長谷川晴彦
<チーフプロデューサー>福嶋更一郎
<プロデューサー>加藤優、神保友香、杉本雄介、城内政芳
<撮影>月永雄太
<照明>藤井勇
<録音>川井崇満
<美術>井上心平
<装飾>渡辺大智
<衣装>篠塚奈美
<ヘアメイク>望月志穂美、遠山直美
<編集>大川景子
<整音>伊藤裕規
<音響効果>大塚智子
<助監督>松尾崇
<ボクシング指導>松浦慎一郎
<手話指導>堀康子、南瑠霞
<手話監修>越智大輔
<制作担当>大川哲史
<原案>小笠原恵子「負けないで!」(創出版) http://shop.tsukuru.co.jp/shopdetail/000000000111/
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ケイコ 目を澄ませて [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2023/10/04
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【映画レビュー】「65 シックスティ・ファイブ」(原題「65」/2023 アメリカ) [映画]

【映画レビュー】「65 シックスティ・ファイブ」(原題「65」/2023 アメリカ)
 「クワイエット・プレイス」(2018)でコンビを組んだスコット・ベック、ブライアン・ウッズが脚本・監督を担当し、シリーズ化された「死霊のはらわた」(1981)、「スパイダーマン」(2002)でメガホンを取ったサム・ライミによるプロデュースで製作されたSFスリラー。「スター・ウォーズ」シリーズで知られるアダム・ドライバーが主演を務めている。
 今から6500万年前、銀河のはるか遠い彼方にある、地球に似た惑星ソマリスで、宇宙飛行士のミルズ(アダム・ドライバー)は妻アリア(ニカ・キング)、娘ネヴァイン(クロエ・コールマン)と暮らしていたが、ネヴァインは病に侵されており、高額な治療費を必要としていた。ミルズはネヴァインの治療費を稼ぐため2年間の宇宙探査の旅に志願し、宇宙へと旅立つ。
 しかし、その探査船は小惑星群に遭遇し、ミルズは脱出を試みるも、隕石の衝突を受けて大破し、とある惑星に不時着する。そこは6500万年前の白亜紀時代の地球だった、
 ミルズは冷凍保存ポッドで眠っていた乗客全員がの死亡を確認し、自らも死を覚悟する。その時、突然船内のコンピューターが1個の冷凍保存ポッドの位置データを指し示す。ミルズは船内を捜索し、中からコア(アリアナ・グリーンブラット)という名の少女を助け出す。ミルズはコアを抱えて戻る途中、恐竜らしき足跡を発見する。
 ミルズはコアを船内に残し、外の探索を開始する。そこは酸性の間欠泉が噴出し、周囲には巨大な恐竜の骨が見つかる。
 ミルズとコアは言語が通じない中、ミルズが絵を描いてコアとコミュニケーションを取り、船のもう半分を探すという目的を伏せて山の上に家族がいると嘘をつく。この時、ミルズとコアは、地球には巨大な隕石が迫っていることに気付いていなかった。
 ミルズとコアは何度も恐竜に襲われそうになり、それでも何とか逃げながら移動を続ける。ミルズはコアに故郷に残してきた娘のネヴァインの面影を重ね合わせ、2人は次第に心を通わせ合う。
 しかし、ミルズとコアが雨を避けるために入った洞窟で、コアの身には寄生虫が取り付いていまう。ミルズは手当を行い寄生虫を退治するが、その直後に巨大ティラノサウルスが洞窟を襲い、ミルズとコアは離れ離れになってしまう。
 外に出たミルズは上空に巨大な隕石が接近していることに気付き、12時間後に地球に衝突することを知る。ミルズはコアを探しているうちに底なし沼にはまってしまうが、駆けつけたコアによって助け出される。
 ミルズとコアはようやく山の上の船の残骸に到着するが、コアはそこで死んでいる両親を発見し、取り乱す。ミルズは故郷に残してきた娘ネヴァインが亡くなったことを明かし、コアを落ち着かせる。
 ミルズとコアは脱出ポッドに乗って地球から飛び立とうとしましたが、隕石の破片が容赦なく降り注ぎ、ティラノサウルスが襲ってくる中、2人は協力してティラノサウルスを倒し、隕石が地球に衝突する寸前、間一髪で脱出することに成功する。ミルズとコアは救難信号を出し、地球圏を飛び出して別の惑星へと飛び立っていく場面で、物語は終わる。
 細かいことを言い出せばツッコミどころ満載のストーリーだが、アメリカではこの手の作品が絶え間なく再作されていることから、それなりにニーズはあり、興行収入も期待できるのだろう。しかしながら、見ている途中でオチがだいたい予想できてしまうような流れに、凡庸さを感じずにはいられない。そもそも、少女1人の手で撃退されてしまう恐竜て何?と思わされるのだ。
 スケールが大きいようで、実は6500万年前の地球が舞台とする、ほぼワンシチュエーション作品であるし、アダム・ドライバーの演技力も生かされていない上に、CGとVFXの技術で何とか形にしてしまった感が否めない作品だ。
<評価>★☆☆☆☆
<公式サイト>https://www.sonypictures.jp/he/11202092
<監督・脚本>スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
<製作>サム・ライミ、デボラ・リーブリング、ザイナブ・アジジ、スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
<製作総指揮>メリアン・ブランドン、ダグ・メリフィールド、ジェイソン・クロス、アーロン・L・ギルバート
<撮影>サルバトーレ・トチノ
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