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【映画レビュー】「私はいったい、何と闘っているのか」(2021 日本) [映画]

【映画レビュー】「私はいったい、何と闘っているのか」(2021 日本)
 勤務先のスーパーでは万年中間管理職、家庭では良きパパだが、やる事なす事、空回り気味の真面目な中年男性の日常を、主演の安田顕がコミカルに描いている。自身のナレーションでのノリツッコミも作品の肝だ。周囲のミスを機転を利かせて解決する一方、真面目さがアダとなり、面倒な役回りをさせられることもしばしば…。原作のつぶやきシローの社会の対する思いの発露がストーリーに反映されており、不器用にしか生きられない男の“あるある”なエピソードを次々とテンポ良く展開していく。特に大事件が起きるわけではない。しかし、安田顕はもちろん、小池栄子、岡田結実、ファーストサマーウイカといった面々のコメディエンヌぶりも見どころの一つ。笑うだけ笑わせ、そしてイライラさせ、最後には涙を誘う、良い脚本だったように思う。“こういう人、本当にいそう”と思わせる一方、世の中の平凡なパパたちにエールを送りたくなる一作だ。
<評価>★★★☆☆
<公式サイト>https://nanitata-movie.jp/
<監督>李闘士男
<脚本>坪田文
<製作>鳥羽乾二郎、太田和宏、臼井正人、佐竹一美
<エグゼクティブプロデューサー>福家康孝、新井勝晴
<プロデューサー>吉田憲一、沢村敏、宇田川寧
<ラインプロデューサー>濱松洋一
<撮影>神田創
<照明>丸山和志
<録音>山本タカアキ
<美術>寺尾淳
<衣装>篠塚奈美
<ヘアメイク>竹下フミ
<音響効果>勝亦さくら
<編集>岩切裕一
<音楽>安達練
<助監督>増田伸弥
<スクリプター>石川愛子
<キャスティング>南谷夢
<制作担当>後藤一郎
<原作>つぶやきシロー「私はいったい、何と闘っているのか」(小学館) https://www.shogakukan.co.jp/books/09407082
<主題歌>ウルトラ寿司ふぁいやー「今すぐアナタを愛したい」(AMUSE) https://ultrasushifire.com/
#私はいったい、何と闘っているのか #映画 #李闘士男 #坪田文 #つぶやきシロー #安田顕 #小池栄子 #岡田結実 #ファーストサマーウイカ #SWAY #金子大地 #伊集院光 #菊池日菜子 #小山春朋 #田村健太郎 #佐藤真弓 #鯉沼トキ #竹井亮介 #久ヶ沢徹 #伊藤ふみお #白川和子 #ウルトラ寿司ふぁいやー #日活 #東京テアトル

私はいったい、何と闘っているのか

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  • 発売日: 2022/06/08
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【映画レビュー】「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(2021 日本) [映画]

【映画レビュー】「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(2021 日本)
 1998年、長野五輪でのスキージャンプ団体の金メダル獲得を陰で支えたテストジャンパーたちの知られざる実話を、西方仁也選手の視点で追った作品。五輪のテストジャンパーという仕事は、アマチュアにとっては晴れの舞台である一方、前回のリレハンメル五輪では日本代表として闘った西方にとっては、屈辱以外の何物でもなかっただろう。当初、この役目を引き受けた彼にとって、この仕事はスキー協会との“顔つなぎ”でしかなかった。その葛藤たるや、如何ばかりだったか…。しかし、1本目で4位だった日本代表にとって、逆風ともいえる猛吹雪が吹き、2本目の可否を、25人のテストジャンパーの成否に任せる判断が出され、期せずして彼らに、日本代表の命運が託される。長野五輪を目標にしてきた者、次の五輪を目指す者、アマチュアで実績を積む者、女子ジャンプが正式種目になる日を夢見て飛び続ける女子高生…そのモチベーションはバラバラの“寄せ集め”だったが、徐々に心を一つにしていく。拍手も歓声も受けることのない彼らと彼女らに光を当て、さまざまなスポーツの裏方さんに勇気を与える作品だ。強いて挙げれば、実話を基にしていることで、ストーリー展開が分かり切っている部分が割り引き材料だ。
<評価>★★★☆☆
<公式Twitter>https://twitter.com/hinomaru_soul
<監督>飯塚健
<脚本>杉原憲明、鈴木謙一
<企画プロデュース>平野隆
<プロデューサー>宇田川寧、辻本珠子、刀根鉄太
<共同プロデューサー>水木雄太
<音楽プロデューサー>溝口大悟
<ラインプロデューサー>田口雄介
<撮影>川島周、山崎裕典
<照明>本間大海
<録音>反町憲人
<美術>佐久嶋依里
<装飾>堀口浩明
<衣装>白石敦子
<ヘアメイク>内城千栄子
<編集>相良直一郎
<音響効果>松浦大樹
<音楽>海田庄吾
<VFXスーパーバイザー>小坂一順
<スクリプター>石川愛子
<助監督>安達耕平
<制作担当>狭間聡司
<主題歌>MISIA「想いはらはらと」(Sony Music) https://www.sonymusic.co.jp/artist/misia/discography/BVCL-1193
<主題歌(作詞・作曲)>川谷絵音
<挿入歌>MAN WITH A MISSION「Perfect Clarity」(Sony Music) https://www.sonymusic.co.jp/artist/manwithamission/discography/SRCL-12128
#ヒノマルソウル #映画 #スキージャンプ #長野五輪 #五輪 #オリンピック #飯塚健 #田中圭 #西方仁也 #葛西紀明 #原田雅彦 #船木和義 #岡部孝明 #土屋太鳳 #山田裕貴 #眞栄田郷敦 #小坂菜緒 #落合モトキ #斉藤浩哉 #菅原大吉 #八十田勇一 #濱津隆之 #古田新太 #大友律 #狩野健斗 #山田英彦 #山田英彦 #加藤斗真 #MISIA #テストジャンパー #東宝

ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜

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  • 発売日: 2021/12/03
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【映画レビュー】「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」(2020 日本) [映画]

【映画レビュー】「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」(2020 日本)
 1969年5月13日、東京大学駒場キャンパス900番教室で行われた作家・三島由紀夫と、約1000人にも上る東大全共闘との伝説の討論会を移したTBSの映像を軸に、三島はじめ、全共闘トップの芥正彦と木村修、三島を敬愛する平野啓一郎、三島と交流のあった瀬戸内寂聴、加えて、その場で取材していたTBS記者や雑誌記者の証言を差し込み、「三島を論破て立ち往生させ、舞台の上で切腹させる」と息巻く危険極まりない学生たちを相手に、時にはユーモアを交えながら、火花が出そうな言葉のやり取りを通じて、三島の生き様を映した実録ドキュメンタリー。互いの暴力を“是”としながらも、ヒリヒリするような言葉のみの“殴り合い”が続く。丸腰、しかも警備員もつけずに、相手の土俵に乗り込んだ三島と、考え方を異にしながらも、リスペクトを持って討論に挑む学生たち。そこに、昨今のSNSに見られるような小汚く薄っぺらい罵詈雑言はない。自らの主張を言語化することに関しては、(日本に限ったことではないが)現代人は退化していると痛感させられる映像であり、三島という人物の雄弁さと迫力を感じる作品だ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://gaga.ne.jp/mishimatodai/
<公式Twitter>https://twitter.com/mishimatodai
<公式Facebook>https://www.facebook.com/mishimatodai50
<監督>豊島圭介
<企画プロデュース>平野隆
<プロデューサー>竹内明、刀根鉄太
<共同プロデューサー>大澤祐樹、星野秀樹、岡田有正
<撮影>月永雄太
<録音>小川武
<編集>村上雅樹
<音楽>遠藤浩二
<音楽プロデューサー>溝口大悟
<ナレーション>東出昌大
<助監督>副島正寛
<アシスタントプロデューサー>吉原裕幸、諸井雄一、韮澤享峻
<企画協力>小島英人
<題字>赤松陽構造
#三島由紀夫vs東大全共闘 #映画 #三島由紀夫 #東大全共闘 #東大 #全共闘 #討論 #ドキュメンタリー #東出昌大 #豊島圭介 #平野啓一郎 #内田樹 #小熊英二 #瀬戸内寂聴 #芥正彦 #木村修 #橋爪大三郎 #篠原裕 #宮澤章友 #原昭弘 #椎根和 #清水寛 #小川邦雄 #駒場キャンパス #900番教室 #TBS

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

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  • 発売日: 2021/02/26
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【映画レビュー】「決戦は日曜日」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「決戦は日曜日」(2022 日本)
脳梗塞に倒れた父に代わって、地盤を引き継き、衆議院議員選挙の出馬する決意をしたものの、ワガママ放題、空気も漢字も読めない、迷惑系ユーチューバーをボコる長女・川島有美を演じる宮沢りえのハチャメチャぶりを、父の代から川島のサポートに徹してきた私設秘書役の谷村勉の窪田正孝の対照的なキャラクターのコントラストは面白い。しかし、5年にわたって取材したと謳っているにもかかわらず、政治コメディとしてはやや中途半端で、政治の裏側を風刺した割には、ストーリーがやや物足りない。実際、自民党の二世議員なんてこんなもんでしょ…と感じるに至るに過ぎない。その後、有美は、数々のスキャンダルや、後援会の離反などでヤル気を無くし、谷村らに依頼し、わざと落選しようとするものの、結局は当選してしまうところなど、シニカルに、今の日本の状況を表現してはいるが、実際、ガーシーのようなゴロツキが国会議員になってしまう世の中だ。結局、有権者は“愚民”であるという現実は、既にフィクションを超えてしまっているのだ。キャストの演技が光っていただけに、脚本の詰めの甘さが残念な作品であった。
<公式サイト>https://kessen-movie.com/
<公式Twitter>https://twitter.com/kessenmovie2022
<評価>★★☆☆☆
<監督・脚本>坂下雄一郎
<製作総指揮>藤本款
<プロデューサー>深瀬和美、若林雄介
<撮影>月永雄太
<照明>藤井勇
<録音>島津未来介
<美術>福岡淳太郎
<装飾>松葉明子
<スタイリスト>西留由起子
<ヘアメイク>板垣実和、千葉友子
<編集>上野聡一
<音楽>渡邊崇
<音響効果>勝亦さくら
<監督補>塩崎遵
<キャスティングディレクター>杉野剛
<ポストプロダクションプロデューサー>篠田学
<ラインプロデューサー>大熊敏之
#決戦は日曜日 #映画 #坂下雄一郎 #選挙 #政治 #二世議員 #窪田正孝 #宮沢りえ #赤楚衛二 #内田慈 #小市慢太郎 #音尾琢真 #たかお鷹 #高瀬哲朗 #今村俊一 #小林勝也 #原康義 #石川武 #松井工 #久松信美 #田村健太郎 #駒木根隆介 #前野朋哉 #斎藤志郎 #クロックワークス

決戦は日曜日

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【映画レビュー】「サマーフィルムにのって」(2021 日本) [映画]

【映画レビュー】「サマーフィルムにのって」(2021 日本)
時代劇、時に勝新が好きで、時代劇映画を取ろうと奔走する、映画部の中でも変わり者の女子高生・ハダシを元乃木坂46の伊藤万理華が、その作品で主演の武士役を演じることになる少年を金子大地がともに爽やかに演じている。しかし、金子大地演じる凛太郎は、未来からタイムトラベルで現代にやって来た未来人という設定だ。しかも凛太郎の知る未来には「映画」が絶滅していた。しかし、その未来に抗うように若き映画部員は時代劇映画を完成させてしまう。青春群像劇でありながら、SF的要素や微妙な恋心なども描写しており、初監督である松本壮史はじめ、製作に携わった人の映画への愛を感じさせる作品だ。さまざまな要素が入り込むことでテーマがぼやけてしまうこともあるが、同作は無理なく、そして劇的なラストシーンへとつなげている。映画が斜陽産業といわれるようになって久しいが、このような作品が世に出ることによって、つくづく「映画は必要だ」と思わせてくれる快作だ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://happinet-phantom.com/summerfilm/
<公式Twitter>https://twitter.com/summerfilm_2020
<公式Instagram>https://www.instagram.com/summer_film2021/?igshid=jc7cw0urwfpe
<監督>松本壮史
<脚本>三浦直之、松本壮史
<製作>今野義雄、小西啓介、多湖慎一、川瀬賢二、篠田学
<プロデューサー>静陽子、若林雄介
<アソシエイトプロデューサー>杉山剛、小林亜理
<撮影>岩永洋、山崎裕典
<照明>谷本幸治
<録音>久連石由文
<美術>飯森則裕
<衣装>神田百実
<ヘアメイク>板垣実和
<音響効果>松浦大樹
<編集>平井健一
<音楽プロデューサー>剣持学人
<キャスティング>塩崎遵
<監督補>塩崎遵
<写真家>ヤスダ彩
<タイトルデザイン>Iyo Yamaura
<ラインプロデューサー>大熊敏之
<制作担当>後藤一郎
<主題歌>Cody・Lee(李)「異星人と熱帯夜」(SONY MUSIC) https://www.sonymusic.co.jp/artist/CodyLee/discography/KSCL-3371
#サマーフィルムにのって #映画 #松本壮史 #三浦直之 #伊藤万理華 #金子大地 #河合優実 #祷キララ #小日向星一 #池田永吉 #篠田諒 #甲田まひる #ゆうたろう #篠原悠伸 #板橋駿谷 #時代劇 #SF #東京国際映画祭 #ハピネットファントム

サマーフィルムにのって

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  • 発売日: 2022/04/20
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【映画レビュー】「茶飲友達」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「茶飲友達」(2023 日本)
2013年10月、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された。クラブの会員数男性1000名、女性350名、最高齢は88歳。まさに超高齢化社会の日本が抱える老人の孤独死、介護、おひとりさま問題などの不安が反映された事件。本作は、この事件を基にした社会派群像劇だ。
主人公・佐々木マナ(岡本玲)は高齢者専門の売春クラブ「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立。新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、集まってきた男性のもとへ高齢女性を派遣するビジネスを始める。
「ティー・フレンド」に在籍する通称“ティー・ガール”たちの中には、介護生活に疲れた女性、ギャンブルに依存した女性などさまざまな事情を抱える者だ。
ネット広告でもSNSでもなく、新聞の三行広告でPRしている点は、個人的には懐かしい記憶がよみがえる。筆者はかつて、新聞社に勤務していたが、ひと昔前の新聞、特に夕刊紙やスポーツ新聞には、三行広告が必ずといっていいほどあり、その多くが、どこか“いかがわしさ”を感じさせる広告だった。
一方、マナのもとで「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、出口の見えない社会の中で閉塞感を抱えて生きている。そんなままならぬ若者や高齢者を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、擬似家族のような絆を育んでいくのだが…。
高齢者の孤独に寄り添いながら自身も心に寂しさを抱え、ファミリー=“擬似家族”の中に居場所を求める主人公・マナを岡本玲が表の顔と裏の顔を使い分け、見事に演じ切っている。
考えてみれば、「ファミリー」とは、いかにも便利な言葉だ。外から見れば、単なる売春クラブであっても、その言葉によって、その就業員や女性キャストも、全て縛りつける効果があり、共犯者としてしまう。
しかしながら、その「ファミリー」には絆など皆無であり、その正体は、金銭を媒介とする闇ビジネス集団だ。そして本作では、その「ファミリー」が跡形もなく崩れていく様までを劇的に描いている。
監督を務めた外山文治は、長編デビュー作『燦燦-さんさん-』がモントリオール世界映画祭が2014年に正式招待、2021年公開の『ソワレ』のヒットが記憶に新しい。“擬似家族”と化した高齢者専用売春クラブの姿を通して、現代社会に横たわる閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を人情味たっぷりに描き出す。
「孤独を抱えた高齢者と若者たちが家族になった」というテーマの元、「茶飲友達」のビジネスを拡大させていく若者と高齢者の日常、そして、一つの事件から、売春斡旋が発覚し「ファミリー」の平穏な日々が崩れ行くまでを、臨場感たっぷりに再現させている。
妻に先立たれた茂雄(渡辺哲)が新聞の三行広告に掲載された「茶飲友達、募集」の文字を見つける場面から物語はスタートする。その広告の実態は、高齢者専門の売春クラブ「茶飲友達(ティー・フレンド)」の斡旋の入り口でもある。
コールガールに扮した高齢女性とクラブを運営する若者たちの仕事ぶりや、売春クラブの代表・マナが仲間に「うちらはこの街のセーフティーネット」とうそぶき、万引きに手を染める孤独な松子(磯西真喜)に「ファミリーになってくれませんか」などと勧誘していく。噂が噂を呼び、男性会員は1000人を突破するなど拡大していく、一方で後半は、複雑な家庭環境で育ったマナが風俗ビジネスを始めた“本当の理由”が語られていく。
人間には肉体的にも精神的にも欲求が存在するが、性別を問わず、「性欲」というものは衰えることの少ない欲だ。例え、体力的に性行為が不可能であっても、異性に触れたい、触れられたいといった形で、その欲を満たしていくのだ。そのために、清潔感を保ったり、オシャレに着飾ったりするという気遣いに思い至ることも多い。いくら売春を禁止したところで、老人の性欲を規制する力は法律にはない。警察もそれを取り締まることはできないはずだ。
そして最後には、よそ行き用の洋服に着替えた上で、遊ぶ気満々で、「茶飲友達」に電話するが、跡形もなく消えたことを知り、力なくうなだれる茂雄の姿で締めくくられる。
作品を通じて、この国では「人生100年時代」と喧伝されながらも、そのメンタルヘルスにまで踏み込んでいない現代社会の閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」が浮かび上がる作品だ。
<評価>★★★★★
<公式サイト>http://teafriend.jp/
<公式Twitter>https://twitter.com/teafriend2021
<監督・脚本>外山文治
<プロデューサー>市橋浩治、外山文治
<共同プロデューサー>宇津井武紀
<アソシエイトプロデューサー>梅田千景、大久保孝一、黒川和則、児玉健太郎
<撮影>野口健司
<録音>宋晋瑞
<美術>中村哲太郎
<装飾>前田巴那子
<スタイリスト>岡澤喜子
<衣装>大場千夏
<ヘアメイク>荒川瑠美
<ヘアメイク監修>岡澤愛子
<編集>小原聡子
<音楽>朝岡さやか
<音響効果>字引康太
<脚本協力>鈴木拓真
<スチール>松井綾音
<制作>柿本浩樹
#茶飲友達 #映画 #外山文治 #岡本玲 #磯西真喜 #海沼未羽 #渡辺哲 #シネマプロジェクト #三行広告 #売春 #高齢者 #瀧マキ #岬ミレホ #長島悠子 #百元夏繪 #クイン加藤 #海江田眞弓 #楠部知子 #中山求一郎 #アサヌマ理紗 #鈴木武 #佐野弘樹 #光永聖 #中村莉久 #牧亮佑




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【映画レビュー】「コンフィデンスマンJP 英雄編」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「コンフィデンスマンJP 英雄編」(2022 日本)
「英雄がいない国が不幸なのではない。英雄を必要とする国が不幸なのだ」という哲学者の言葉から始まる本作。その英雄とは、昭和初期から綿連と続く“ツチノコ”という、いわばネズミ小僧のような存在だ。ついに同作では、舞台をヨーロッパに移し、マルタの首都・ヴァレッタでダー子、ボクちゃん、リチャードらだけではなく、日本の警察、果てはインターポールまでもが事件に絡んでくる。豪華なキャスティングに加え、練り込まれた脚本、そして小ネタもあり、また、同シリーズで活躍した、亡き三浦春馬と竹内結子へのオマージュも垣間見られ、3人が付け狙うお宝「踊るビーナス」を巡り、シリーズ最高の騙し合いバトルが小気味よく繰り広げられる。ダー子を演じる長澤まさみの“顔芸”にも磨きがかかった印象だ。一流俳優がそれぞれのキャラクターを、みな、振り切った演技で見せており、それだけでも見応えがある。ただし、フランス語、スペイン語、英語が飛び交い、しかも謎の栃木弁も登場し、少し混乱するかもしれない。本作が本当に“完結編”なのかどうかは定かではないが、名シリーズだったことは間違いない。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://confidenceman-movie.com/
<公式Twitter>https://twitter.com/confidencemanJP
<公式Instagram>https://www.instagram.com/confidenceman_jp/
<監督>田中亮
<脚本>古沢良太
<製作>小川晋一、松岡宏泰
<企画・プロデュース>成河広明
<プロデューサー>梶本圭、古郡真也
<撮影>板倉陽子
<照明>緑川雅範
<録音>高須賀健吾
<美術>あべ木陽次
<美術プロデューサー>三竹寛典
<アートコーディネーター>大野恭一郎
<装飾>近藤美緒
<衣装>朝羽美佳
<スタイリスト>押田比呂美、カドワキジュン子
<ヘアメイク>坂本敦子美、高村三花子
<VFXプロデューサー>赤羽智史、高玉亮
<ビジュアルデザイン>山本雅之
<編集>河村信二
<選曲>大森力也
<音響効果>壁谷貴弘
<音楽>fox capture plan
<記録>赤星元子
<スケジュール>杉山泰一
<監督補>下畠優太
<制作主任>木村理恵子
<アソシエイトプロデューサー>大坪加奈、水戸理恵
<主題歌>Official髭男dism「Anarchy」(PONY CANYON) https://anarchy.ponycanyon.co.jp/
#コンフィデンスマンJP #英雄編 #映画 #長澤まさみ #東出昌大 #小手伸也 #小日向文世 #ダー子 #松重豊 #瀬戸康史 #城田優 #生田絵梨花 #広末涼子 #江口洋介 #三浦春馬 #竹内結子 #織田梨沙 #関水渚 #赤ペン瀧川 #石黒賢 #梶原善 #徳永えり #高嶋政宏 #生瀬勝久 #真木よう子 #角野卓造 #江口洋介 #マイケル・キダ #田中亮 #古沢良太 #詐欺師 #東宝 #ツチノコ

コンフィデンスマンJP 英雄編

コンフィデンスマンJP 英雄編

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  • 発売日: 2022/05/18
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【映画レビュー】「ヒトラーのための虐殺会議」(原題「Die Wannseekonferenz」/2023 ドイツ) [映画]

【映画レビュー】「ヒトラーのための虐殺会議」(原題「Die Wannseekonferenz」/2023 ドイツ)
今から81年前の1942年1月20日、ドイツ・ベルリンのヴァンゼー湖畔の大邸宅でアドルフ・ヒトラー率いるナチス親衛隊と事務次官たちが国家保安部長官のラインハルト・ハイドリヒ(フィリップ・ホフマイヤー)に招かれ、会議が開かれた。その議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」、つまりユダヤ人の“絶滅”だ。
会議には、司法省、内務省、外務省などの官僚が集まってくる。しかし、「やれやれユダヤ人問題か」とつぶやく者、「こいつは好かん、下座だ」と会議の席を勝手に変えてしまう者、「まるで職場の飲み会だ。互いの腹を探り合うのさ。ビールなしでさ」と話す者もいる。まるで、ルーティンと化した日本企業の社内ミーティングのようでもある。
そして、ユダヤ人抹殺のために、移送や強制収容と労働、計画的殺害などといった異常ともいえる議案が淡々と議決される。ホロコースト(大量虐殺)に異を唱える者は誰一人いない。それは、あまりにも異様な光景だ。その間たったの90分。本作では、その場面をありのままに描き出している。人類史上最悪の会議の全貌が80年後、緊張感ある空気感をもって、スクリーンに再現されている。
本作には、ヒトラーは登場しない。それどころか声もなく、肖像画すらない。そして、ヒトラーから絶大な信頼を得、その運命をも共にしたナチ党のナンバー2、ヨーゼフ・ゲッベルスも同様だ。
監督のマッティ・ゲショネックは「ヨーロッパにいる全ユダヤ人の駆逐が、冷静な会話によって議論され決められていく様子を事実にもとづいて描こうと思った」とコメントしている。忠実に基づくからこそ、演出らしい演出は皆無といっていい。
さらには、本作には音楽が挿入されていない。会議での様々な意見や会話が延々と写し出されている。そのため、いつしか作品に没入し、会議にオブザーバーとして出席しているような気分にさせられる。それはいわば、観衆をも“共犯者”として、作品に参加させるという試みでもあろう。
この「ヴァンゼー会議」をきっかけとして、ドイツ国内や同盟国から東ヨーロッパに散らばる絶滅収容所へのユダヤ人強制送還が始まる。ストーリーは、ナチス親衛隊中佐のアドルフ・アイヒマンヨハネス・アルマイヤー(ヨハネス・アルマイヤー)による会議の議事録に基づいているとされている。これは1947年に米軍がドイツ外務省の文書の中から発見したものとされ、ホロコーストに関するたった1部の重要文書だ。
しかしながら、その真贋についても定かではなく、一部のホロコースト否認論者は、これを「偽造文書」だと主張している者もいるという。ただ一つ、確実に言えることは、この会議にヒトラー自身は出席していないことだ。
ここで1つの疑問が沸く、独裁者ヒトラー不在のまま、なぜこうした重大議案を決定されたのかということだ。結果的に、この会議に出席していたわずか15人の官僚によって、何百万人ものユダヤ人の命が奪われているのだ。そこにあったのは、ヒトラーに対する得も言われぬ恐怖心か、行き過ぎた忖度か…。優秀が故に、自身の立場やメンツ、省庁の利権、パワーバランスを無意識のうちに優先させてしまう。時代は違えども、現在のロシアの政治中枢の姿と重なる。
ドイツにおいて、こうしたホロコーストを題材とした作品は数多く制作されている。本作に関していえば、第二次大戦におけるドイツの立ち位置、ナチ党が率いていた内政の状況、そして、この会議によって決定された後の、アウシュビッツなどで繰り広げられたユダヤ人大量虐殺の歴史を大まかに知っておく必要はあろう。
本作はドイツ人によって製作されたドイツの闇の歴史に触れた作品だ。第二次大戦において、同じく敗戦国だった我が国においては、戦争の悲劇を描いた作品は多いものの、旧日本軍による戦争犯罪に触れる作品はまだまだ少ない。敗戦の苦難を記録することはもちろん重要ではあるが、そこに至るまでの、日本政府や軍部の数々の失政を指摘する作品が製作されることを求めてやまない。本作を観賞し、そんな思いを強く抱いた。
<評価>★★★★★
<公式サイト>https://klockworx-v.com/conference/
<クロックワークス公式Twitter>https://twitter.com/KlockworxInfo
<クロックワークス公式Facebook>https://www.facebook.com/KlockworxInfo/
<クロックワークス公式Instagram>https://www.instagram.com/klockworxInfo/
<監督>マッティ・ゲショネック
<製作>ラインホルト・エルショット、フリードリヒ・ウトカー
<製作総指揮>オリバー・ベルビン
<脚本>マグヌス・ファットロット、パウル・モンメルツ
<撮影>テオ・ビールケンズ
<美術>ベルント・レペル
<衣装>エスター・バルツ
<編集>ディルク・グラウ
#ヒトラーのための虐殺会議 #映画 #ドイツ #ヒトラー #ナチス #ユダヤ #大量虐殺 #絶滅 #バンゼー会議 #アイヒマン #ハイドリヒ #ゲショネック #ベルビン #エルショット #ウトカー







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【映画レビュー】「その日、カレーライスができるまで」(2021 日本) [映画]

【映画レビュー】「その日、カレーライスができるまで」(2021 日本)
リリーフランキーによるワンシチュエーションでの一人芝居。息子を幼くして亡くし、妻も去ってしまった、しょぼくれた中年男が、誕生日を迎えようとする妻のためにカレーを作り続けている。誰が食べるかも分からないカレーであったが、ラジオ番組への投稿をきっかけに、妻と再び繋がる。たった52分という短編作品であるが、その微妙な仕草や表情の変化で、感情を表現してしまうリリーフランキーの魅力があふれている。「3日寝かせたカレーが一番上手い」ように、後になってジワジワを感じ入る作品だ。映画がやはり脚本が命。そう思える一本だった。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://sonocurry.com/
<公式Twitter>https://twitter.com/sonocurry
<公式Instagram>https://www.instagram.com/sonocurry/
<公式Facebook>https://www.facebook.com/sonocurry
<監督>清水康彦
<原案>金沢知樹
<脚本>金沢知樹、清水康彦
<企画・プロデュース>齊藤工
<製作>坂本香、有馬一昭、佐久間大介
<エグゼクティブプロデューサー>麻生英輔
<チーフプロデューサー>小林有衣子
<プロデューサー>野村梓二
<撮影>川上智之
<照明>上野甲子朗
<録音>桐山裕行
<美術>松本千広
<フードコーディネーター>松山綾子
<スタイリスト>服部昌孝
<ヘアメイク>岩城舞
<編集>清水康彦
<音楽>香田悠真
<デザイン>池田樂水、齊藤賢太郎
<助監督>草場尚也
<ラインプロデューサー>安藤光造
<アシスタントプロデューサー>金川紗希子
<主題歌>安部勇磨「テレビジョン」(Thaian Recoeds) https://thaianrecords.com/7/
#その日、カレーライスができるまで #映画 #清水康彦 #金沢知樹 #齊藤工 #リリーフランキー #中村羽叶 #吉田照美 #岡田ロビン翔子 #黄栄珠 #福田信昭 #神野三鈴 #そのカレ #ワンシチュエーション #一人芝居 #ラジオ

その日、カレーライスができるまで

その日、カレーライスができるまで

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/06/10
  • メディア: Prime Video






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【映画レビュー】「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」(2021 日本) [映画]

【映画レビュー】「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」(2021 日本)
ハッキリ言って、同作ほど好き嫌いの分かれる作品は少ないのではないだろうか。しかしながら、リカ演じる高岡早紀の不気味さは、テレビドラマ版よりもワンランク、ギアを上げてきた印象だ。警察の追ってから逃れるためには空をも飛んでしまうなど、設定もストーリー展開も強引さが目立つ上に、グロテスクなシーンも登場するが、ジャパニーズサイコスリラーの新たな形を示してもいる。それとは別にリカを演じ切れた女優は高岡早紀以外にいただろうか。それほどのハマり役といえる。それほど「28歳と嘘をつきながら婚活し、男を漁った上に殺し、バラバラに死体を解体する」という恐ろしすぎるサイコパス女を演じることは難しいだろう。“悪趣味”と言われればそれまでだが、この突き抜けっぷりも、この作品の大きな見どころだろう。個人的には楽しめた一作だ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://www.rika-28.com/
<公式Twitter>https://twitter.com/rika__28
<公式Instagram>https://www.instagram.com/rika____28/
<監督>松木創
<脚本>三浦希紗
<企画・ブロデュース>栗原美和子
<プロデューサー>山崎淳子、杉本雄介
<製作>小西啓介、港浩一、猪野丈也、鈴木俊明、山口貢
<撮影>白石利彦
<映像>三好良三
<照明>磯部大和
<録音>渡辺丈彦
<美術>吉田敬
<アートコーディネーター>岡村正樹
<VFX>本田貴雄
<音響効果>廣中桃李
<編集>安部華子
<音楽>戸田有里子
<選曲>安藤友章
<スクリプター>渡邊由依
<助監督>北坊信一、木村真人
<制作担当>西本和幸
<原作>五十嵐貴久「リカ」(幻冬舎) https://www.gentosha.co.jp/book/b3174.html
<主題歌>FAKY「99」(rhythm zone) https://faky.jp/discography/detail.php?id=1019306
<挿入歌>Lil’Fang(from FAKY)「人形の家」(rhythm zone) https://avex.lnk.to/ningyounoiePR
#リカ #自称28歳 #純愛モンスター #映画 #高岡早紀 #市原隼人 #水橋研二 #内田理央 #尾美としのり #佐々木希 #大谷亮平 #岡田龍太郎 #山本直寛 #マギー #五十嵐貴久 #三浦希紗 #松木創 #サイコスリラー #オトナの土ドラ

リカ ~自称28歳の純愛モンスター~

リカ ~自称28歳の純愛モンスター~

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2021/12/03
  • メディア: Prime Video






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