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【映画レビュー】「スクロール」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「スクロール」(2023 日本)
 YOASOBIのヒット曲「ハルジオン」の原作者・橋爪駿輝による小説を、清水康彦監督、北村匠海&中川大志のダブル主演で映画化した青春群像劇。社会に居場所がなく、SNSでストレスを発散しているだけの4人の若者が、友人の自殺をきっかけに自身を見つめ直していくというストーリーだ。
 学生時代の友人である「僕」(北村匠海)とユウスケ(中川大志)は、友人・森が自殺したことを知る。上司からのパワハラに苦しみ、SNSで上司の悪口を書くことでなんとか自分を保っている「僕」と、刹那的に生きてきたお調子者のユウスケ。友人の死をきっかけに、生き方を見つめ直すようになる。
 そんな彼らに、「僕」のSNSの書き込みに共鳴している「私」(古川琴音)と、ユウスケとの結婚によって、空虚な心を満たしてくれると信じる菜穂(松岡茉優)の時間が交錯していく。
 終始、暗いストーリー。特に主人公の「僕」は、口を開けば「死にたい死にたい」ばかりで、その原因とされるパワハラの描写も、現実社会に照らせば大したことではない。作中で、そのパワハラ上司はクビになり、その憂さ晴らしの放火で捕まってしまうのだが、この程度で会社をクビになるのだとしたら、日本中の管理職は誰も部下を叱れなくなってしまうだろう。
 とにかく、北村匠海演じる「僕」のメンタルが弱すぎてイライラさせられる。今の若者ってみんなそうなの?と思わされ、それに共鳴する女性がいるというのも驚き。もはやここまでくるとメンヘラ集団の傷の舐め合いだ。
 原作者の橋爪駿輝は元フジテレビ勤務らしいが、30歳で辞めたところを見ると、対して優秀でもなかったのだろう。こんな社会に斜に構えたような人物がテレビ番組を作っていたとしら、そりゃ面白いわけがないよなと、妙に納得させられる。原作本は未読だが、読む気にもなれないほどのストーリーだ。
 北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音という豪華キャストを無駄遣いしており、最後まで「結局、何が言いたいの?」と、鑑賞者側から問いたくなるような意味不明さ。自殺、パワハラ、放火などといったエピソードを適当に放り込んで、若者の生きづらさを描いているつもりなのだろうが、何から何まで中途半端。
 これを商業映画にしたこと自体が謎に思えるほど、稀にみる駄作と断言できる。出演した俳優陣が不憫でならない。
<評価>★☆☆☆☆
<公式サイト>https://scroll-movie.com/
<公式X>https://twitter.com/scroll_movie
<公式Instagram>https://www.instagram.com/scroll_movie/
<監督>清水康彦
<原作>橋爪駿輝
<脚本>清水康彦、金沢知樹、木乃江祐希
<製作>坂本香、鷲見貴彦、小山洋平、佐久間大介、浅田靖浩
<エグゼクティブプロデューサー>麻生英輔、木村麻紀
<チーフプロデューサー>小林有衣子
<プロデューサー>八木佑介、野村梓二
<キャスティングプロデューサー>本多里子
<撮影>川上智之
<照明>穂苅慶人
<録音>桐山裕行
<音響効果>桐山裕行
<美術>松本千広
<衣装>服部昌孝
<ヘア>HORI
<メイク>NOBUKO MAEKAWA
<編集>清水康彦
<音楽>香田悠真
<監督補>長田亮
<VFX>宮城雄太
<助監督>草場尚也
<ラインプロデューサー>門馬直人、安藤光造
<アシスタントプロデューサー>金川紗希子
<制作担当>小林慶太郎
<原作>「スクロール」(講談社) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000372142
<主題歌>Saucy Dog「怪物たちよ」 https://saucydog.jp/news/detail/1316
#スクロール #映画】#清水康彦 #橋爪駿輝 #北村匠海 #中川大志 #松岡茉優 #古川琴音 #水橋研二 #莉子 #三河悠冴 #MEGUMI #金子ノブアキ #忍成修吾 #相田翔子 #宮田早苗 #SaucyDog #ショウゲート

スクロール (講談社文庫)

スクロール (講談社文庫)

  • 作者: 橋爪 駿輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/12/15
  • メディア: 文庫






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