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【映画レビュー】「キングメーカー 大統領を作った男」(原題「킹메이커」/英題「Kingmaker」/2022 韓国) [映画]

【映画レビュー】「キングメーカー 大統領を作った男」(原題「킹메이커」/英題「Kingmaker」/2022 韓国)
 1960年代の韓国、後の第15代韓国大統領キム・デジュンと、選挙参謀だったオム・チャンノクの実話がベースとなっている当時の韓国政界の暗部を描くポリティカルサスペンス。
 韓国東北部の江原道で薬剤師をしているソ・チャンデ(イ・ソンギュン)は、理想主義者の野党・新民党に所属するキム・ウンボム(ソル・ギョング)に魅せられ、選挙事務所を訪ね、選挙に勝つための戦略を提案する。その結果、ウンボムは補欠選挙で初当選を果たし、63年の国会議員選挙では地元で対立候補を破り、新進気鋭の議員として注目を集めるようになる。その後もチャンデは“影”との異名を取り、参謀として暗躍する。しかし、チャンデの勝利のためにはとにかく手段を選ばない。それは、自作自演でウンボムの渡米中にチャンデの自宅を爆破し、政府のせいだとするネガティブキャンペーンを起こすまでに暴走し、ウンボムと袂を分かつことになる。
 当時の韓国の置かれた状況、“真の民主主義”を願う国民の感情まで理解していれば、さらにそのストーリーは味わい深いものとなろうが、日本人である自分にとっては、そうでなくとも十分に、当時の韓国政界の魑魅魍魎ぶりが、迫力をもって伝わってくる。
 同作でモデルとなっているキム・デジュンは、親日家としても知られ、韓国への歴代大統領の中でも好感度が高く、日本からの韓国への好感度の大幅に上昇させたことでも知られている。
 また、北朝鮮に対しても「太陽政策」と呼ばれる緊張緩和政策を志向し、南北首脳会談が実現させ、南北共同宣言を締結。韓国人唯一のノーベル賞受賞であるノーベル平和賞を受賞している。
 一方で、KCIA(大韓民国中央情報部)によって、飯田橋のホテルグランドパレスから拉致され、5日後にソウル市内の自宅前で発見された事件の被害者となるなど、常にその命を狙われ続けた政治人生だった。
 映像や演者のセルフ回しの一つひとつ取っても、ドロドロした政界工作をテンポ良く見せられることで冗長にならず、ストーリーの没入できる作品だった。
 時は流れ、1988年、五輪が行われたソウルでの再会、そして、1997年、ウンボムが大統領選挙に勝利したものの、チャンデは、その姿を見届けることはなく、既に他界していたというラストシーンには美しさすら感じた。 
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://kingmaker-movie.com/
<映画映画会社ツイン公式Twitter>https://twitter.com/movietwin2
<監督>ビョン・ソンヒョン
<脚本>ビョン・ソンヒョン、キム・ミンス
<撮影>チョ・ヒョンレ
<編集>キム・サンボム
<製作>イ・ジンヒ、パク・ユンホ
<音楽>イ・ジンヒ、キム・ホンジュン
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キングメーカー 大統領を作った男(字幕版)

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/12/02
  • メディア: Prime Video






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