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【映画レビュー】「NOPE ノープ」(原題「Nope」/2022 アメリカ) [映画]

【映画レビュー】「NOPE ノープ」(原題「Nope」/2022 アメリカ)
 コメディアンとして活躍していたジョーダン・ピールが、「ゲット・アウト」(2017年)の脚本を担当し、自らも出演したことで、ホラー映画監督としてブレーク、続く「アス」(2019年)もヒットさせ、期待されて製作された長編作品3作目が本作。カリフォルニアの田舎町にUFOが現れ、その謎を解くため撮影を試みる兄妹がたどる運命を描いている。
 OJ・ヘイウッド(ダニエル・カルーヤ)と、その妹エメラルド(キキ・パーマー)は、父オーティス(キース・デビッド)が経営するヘイウッド・ハリウッド牧場で、撮影に使う馬を調教している。
 ある日、OJが家に戻ろうとすると突然、空から何かが降ってくる。硬貨のようなものが当たりオーティスは死んでしまう。
 半年後、以前に父が受けた仕事をしにOJは撮影現場に馬を連れてやってくる。しかし無口なOJに現場は困惑、結局馬が暴れてしまいOJは仕事を失ってしまう。
 妹と帰宅途中、OJは牧場の隣りの西部劇のテーマパーク「ジュピターズ・クレイム」に立ち寄り、馬のラッキーを買い取ってもらう。既に10頭ほど売っているOJだったが、いずれすべて買い戻したいと考えていた。
 普段、一緒に住んでいないエメラルドは、OJが馬を安く買い叩かれていないか不安で交渉に同席する。そこでオーナーのリッキー・“ジュープ”・パク(スティーヴン・ユァン)が一斉を風靡した子役だと気づく。その話になると、気をよくしたジュープはかつての思い出を展示した部屋を見せる。しかしそのドラマは、出演していたチンパンジーが撮影中に暴れ出し、出演者にケガを負わせたせいで打ち切りになった曰くつきのドラマだった。
 帰宅した2人は、酒を飲みながら昔話をする。9歳の誕生日にもらえるはずだった“Gジャン”という馬が急な仕事のためもらえなかったと話すエメラルド。調教される様子を2階の窓から見ていたエメラルドに、OJは“わかっている”ことと示すハンドサインを送る。
 ここで「ゴースト」と名付けられた回想シーンが入る。ジュープはドラマの撮影現場にいた。風船が割れる音をきっかけにチンパンジーが暴れ、チンパンジーは射殺されてしまう。ジュープはそのことを思い出し、イベントに向けてリハーサルを開始する。
 イベントでジュープは特別な体験ができると盛り上げていた。ガラスケースには馬が入っていた。そこに突然、UFOが飛来してくる。ジュープは馬をケースから出そうとするが動かない。砂嵐とともにジュープや観客全員が吸い上げられてしまう。そこにOJが到着し、馬を助けようとする。
 OJからの電話で事件を知ったエメラルドは、UFOが家の真上にいることに気付く。馬を保護するため、OJは車で戻って来る。途中で車が動かなくなってしまったOJはドアを開けて周囲を伺う。UFOはOJの真上にいた。OJはドアを閉めて車をロックし、朝まで車で過ごす。
 夜が明け、車が動くようになったOJは家に帰り着く。すると、空から馬の像の首が落ちてくる。家にいたセールスマンのエンジェル・トーレス(ブランドン・ペレア)の車に乗り換え、エメラルドを連れて家から離れる。
 翌日、2人は監視カメラを増設するため家電量販店に向かう。UFOを撮影してテレビ局に売り込もうというのだ。技術者でもあるエンジェルは2人の思惑に気づき、サポートがいらないか聞いてくる。
 2人はエンジェルに依頼し、2台のカメラを屋根の上と柵に取り付け、機械を納屋に設置する。エメラルドは、ジュープから馬の像を盗み、それを牧場の中に置く。そしてもっと協力したいというエンジェルを追い返す。
 ここでさらに「クローバー」と名付けられた回想シーンとなる
 ある夜、厩舎の照明がついているのに気付いたOJが消しにいくと、何者かが再び照明をつける。そこには小さな宇宙人のような生物がおり、OJは怯えながらその場を離れようとしますが、その生物はOJの様子を伺いながら近づいてくる。しかも1体ではなく複数存在し、OJが叫び声を上げるとその生物は笑いながら走っていった。それはジュープの子どもたちの悪質ないたずらだった。
 そのころエメラルドは馬のクローバーが外に出ていることに気づき、OJに知らせる。屋根のカメラにはカマキリがくっついて、映像を確認することができない。するとエンジェルから、もう1台のカメラが止まっていると電話がかかってくる。彼は店で監視カメラの映像を勝手に見ていたのだった。
 OJは馬の像が空に吸い上げられるのを目撃し、その後、雲の中に何かがいることに気付く。エメラルドが声を掛け、建物に逃げ込んだOJだったが、クローバーは空に巻き上げられてしまう。エメラルドは恐怖に震え、急いでここから去るべきだと言いますが、OJは馬の世話があるからと動こうとしない。
 自分たちの手に負えないと思ったエメラルドは、動物の番組などで知られるカメラマンのアントレス・ホルスト(マイケル・ウィンコット)に電話をかけ、撮影を打診する。エメラルドのことを覚えていたホルストだったが、眉唾ものの話として、乗ってはくれなかった。
 その時、エンジェルがやってくる。盗撮行為を非難されるのは承知の上で、彼は牧場の上に動かない雲があることを知らせに来たのだ。UFO発見の糸口を得たエメラルドやエンジェルは興奮するが、OJだけは信じようとしない。
 再び、「ゴーディ」と呼ばれるシーンが展開する。
 かつて放送されていたホームコメディードラマ「ゴーディ、家に帰る」の撮影中、メアリーという子役の少女がチンパンジーのゴーディに誕生日プレゼントを渡すシーン。そばには子ども時代のジュープもいる。大きな箱が開くと中からたくさんの風船が飛び出し、それらが割れる大きな音をきっかけにゴーディが暴れ始めます。
 メアリーを襲うゴーディは血だらけだ。彼女が動くと再び襲いかかり、やがて動かなくなる。大人の俳優も攻撃され、ついにゴーディはテーブルの下に隠れたジュープに気付く。
 恐怖で動けないジュープににじり寄ってくるゴーディは拳を繰り出してくる。ジュープも同じように拳を出してタッチしようとしたとき、ゴーディは射殺され、ジュープはその血を浴びてしまう。
 当時の出来事を思い出す、現在のジュープ。心配そうに見守る妻の求めに応え、夜のイベントに向けてリハーサルを行う。
 今度は「ラッキー」というストーリーに移る。
 嵐の予報を聞き、エンジェルはカメラにシートをかける。しかしその頃“星との遭遇体験”というイベントが始まろうとしていた。そこには特別ゲストとして、ベールで顔を隠したメアリーも参加していた。
 派手な衣装に身を包んだジュープは、「これからここで人生を変えるような特別な体験ができる」と場を盛り上げる。そして隠していた布をはずすと、大きなガラスケースには馬のラッキーが入っていた。すると遠くから、帽子のような形のUFOが飛来してくる。ジュープはラッキーをケースから出そうとするが、ラッキーは動かず、ジュープは焦り出す。一方、妻のアンバーは「今夜は激しいわよ」と観客を煽る。すると砂嵐とともにジュープたちや観客・スタッフ全員が吸い上げられてしまう。口から食道のような器官に取り込まれ、人々は悲鳴を上げ、パニックに陥る。そこへOJが到着し、UFOから身を隠しながらラッキーを助けようとするが、砂嵐のせいで思うように動けない。
 その頃、家ではエンジェルが帰ろうとしていたが、車が動かなくなってしまい、急いでエメラルドのもとに引き返す。OJからの電話で惨劇を知ったエメラルドは、人々の悲鳴が聞こえたことで、UFOが家の上に来ていることを悟る。父のときと同様、コインや鍵などを吐き出しているUFO。さらに人々の血まで撒き散らし、家には血の雨が降り注がれる。
 ラッキーを保護したOJは車で戻ってくるが、自宅からもう少しのところで車がまた止まってしまう。恐ろしい姿になった我が家を見つめながらエメラルドのことを心配するが、なす術はない。一旦静かになり、OJは車のドアを開けて様子を伺う。UFOは真上にいたのだた。ドアを閉めてロックすると、OJは朝までそこで過ごす。
 夜が明け、エンジンがかかるとOJは家に近付こうとする。すると空から馬の像の首が落ちてきてフロントガラスに突き刺さる。OJはエンジェルの車に乗り換えて玄関に近づき、エメラルドとエンジェルを乗せてその場を逃げ出す。
 ジュープが率いるジュピターズ・クレイムの面々が姿を消したことがニュースで報じられ、マスコミの注目を集める。エンジェルの家に世話になっているOJは、目を見なければ襲われないと語り、馬の世話があるから家に戻るという。渋っていたエメラルドには、ホルストから撮影に協力したいと連絡があり、結局3人は戻ることになる。
 手回しのIMAXカメラなどを持ってやってきたホルスト。早速4人は作戦会議を始める。UFOを“Gジャン”と名付けたOJは、自ら囮となり、ホルストに離れた斜面から撮影するよう頼む。エンジェルはホルストのサポート、エムは家で監視カメラのチェックをする。
 彼らはまず、Gジャンの接近を知るために電気で動くスカイダンサーを大量に手に入れる。そしてそれを動かすバッテリーを駐車場の車から盗み出す。短期決戦で終わらせなければ、あっという間にマスコミが押し寄せ、手柄を横取りされてしまう。4人はトランシーバーを手に作戦を決行する。
 オレンジのパーカーを来たOJはラッキーに乗って疾走する。ホルストは薬を飲み、エムのかけた大音量のレコードの音でエンジェルはスカイダンサーを起動させる。50体ものスカイダンサーが踊り、その中をOJが走っていく。
 すると招かれざる1台のバイクが近付いてくる。外に出たエメラルドに、バイクからぶしつけにカメラを向けたのはゴシップサイトTMZの記者だった。質問に答えないエメラルドに悪態をついて走り出したその記者は、スカイダンサーが倒れている地帯に差し掛かり、バイクの不調で放り出されてしまう。
 エメラルドの意見を無視し助けに向かったOJだが、現れたGジャンを撮影しようとする記者を止めることができず仕方なく救出をあきらめる。その直後、記者はGジャンに食われてしまう。タイミングが合わず、その出来事はホルストのカメラのフィルム交換中で、決定的瞬間を収めることは出来なかった。
 OJは目のような模様のフードを被り、さらにGジャンを挑発する。そして狙い通りにGジャンの猛追を回避する。その様子を撮影していたホルストは、もっと凄い映像を撮ると飛び出し、自らGジャンに吸い込まれながらも撮影を続ける。
 エンジェルは突風で斜面を転がり落ち、防水シートや有刺鉄線が体に巻きついてしまう。しかしそのおかげで一度はGジャンに吸い上げられたものの吐き出されて助かる。エメラルドも風に乗って宙に浮いてしまうが、危うく難を逃れる。
 OJは記者の乗ってきたバイクに乗り、逃げるようエメラルドに指示するがエンジンがかからない。エメラルドの危機を救うため、OJはハンドサインを送りエメラルドもそれに応える。OJはラッキーに乗るとGジャンの注意を自分に引きつける。円盤の形から帆のような、クラゲのような形態に変化していたGジャンはOJに襲いかかり、OJとラッキーの姿は見えなくなってしまう。
 ようやくエンジンのかかったバイクにまたがると、エメラルドはUFOを誘うように走り始めう。エメラルドがやってきたのはジュピターズ・クレイム。そこにある大きなキャラクター人形のバルーンを留めていたガーランドを外すと、ヘリウムガスによってそれは空に上り始める。
 人の形をしたそれに興味を示したGジャン。エメラルドは園内の、井戸から頭上を撮影することができるスポットを使い、捕食の瞬間を撮影するつもりだ。地面に散らばっていたコインを拾って撮り始め、ようやく何枚目かにそのシーンを写真に撮ることに成功する。大きなバルーンを飲み込んだGジャンは消化しようと圧力をかけ、ガス爆発を起こし自爆する。
 UFOとの闘いに勝利を手にしたエメラルドは歓喜の声を上げ、そして、集まってきたマスコミに気付く。立ち上がったエメラルドはOJを失ったものを思い出し、涙を流す。すると視界の先に、ラッキーに乗ったOJの姿が現れたのだった。
 その不気味な雰囲気からホラー映画にカテゴライズされている本作だが、印象としてはSFに近い。ストーリーはかなり難解で、評価が真っ二つに分かれそうな作品だ。1回見ただけでは理解出来ないような作品だ。
 ラストシーンも尻すぼみな感じが否めず、自分とは感覚が合わなかった。しかし、恐怖を煽る魅せ方は斬新で、その点だけは評価したい。
<評価>★★☆☆☆
<公式サイト>https://www.uni-100.com/catalog/55462/
<公式X>https://twitter.com/nope_moviejp
<監督・脚本>ジョーダン・ピール
<製作>イアン・クーパー、ジョーダン・ピール
<製作総指揮>ロバート・グラフ、ウィン・ローゼンフェルド
<撮影>ホイテ・バン・ホイテマ
<美術>ルース・デ・ヨンク
<衣装>アレックス・ボーベアード
<編集>ニコラス・モンスール
<音楽>マイケル・エイブルズ
<視覚効果監修>ギョーム・ロシェロン
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