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【映画レビュー】「NOPE/ノープ」(原題「Nope」/2022 アメリカ) [映画]

【映画レビュー】「NOPE/ノープ」(原題「Nope」/2022 アメリカ)
 『ゲット・アウト』(2017)、『アス』(2019)の成功で、一流SFホラー映画の仲間入りを果たしたジョーダン・ピールの長編作品第3作。
 牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男のOJ(ダニエル・カルーヤ)が家業をサボって街に繰り出す妹・エメラルド(キキ・パーマー)にうんざりしていたところ、空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。父を死に至らしめたものとはコインのような金属片。OJは、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことをエメラルドに明かす。
 父から引き継いだ牧場経営がうまくいかない中、ヘイウッド兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、UFOの撮影に挑むが、そんな兄妹と撮影スタッフに、次々と不可解で想像を絶する事態が待ち受ける。
 「ゴースト」「クローバー」「ゴーディ」「ラッキー」…と、チャプター毎に名前が付けられ、それぞれが同時進行的にストーリーが進むのだが、超常現象やUFO、暴れ出すチンパンジー、車に突き刺さる馬の頭部…といったホラー映画ならではの見せ場までが冗長過ぎて、テンポが悪い。
 また、コメディアン出身のピール監督らしい、社会風刺も盛り込まれている。この点がピール作品の肝であるのかも知れないのだが、同作に関していえば、蛇足に終始した印象だ。
 ホラー作品の重要なファクターである“怖がらせ方”に、妙な演出を加えていないものの、様々なホラー作品へのオマージュを感じることはできる。しかし、ホラーでありながら、社会風刺的なメッセージ性を込めるという試みは中途半端に感じてしまう。
 当然、アメリカと日本では、抱える社会問題も、そこに生きる人々が何に怯えるのかという感性も異なる。日本における興行収入は4億円にも届かなかったが、ホラー映画が海を超えて興行的成功を収める難しさを示しているともいえる。
<評価>★☆☆☆☆
<監督・脚本>ジョーダン・ピール
<製作>イアン・クーパー、ジョーダン・ピール
<製作総指揮>ロバート・グラフ、ウィン・ローゼンフェルド
<撮影>ホイテ・バン・ホイテマ
<美術>ルース・デ・ヨンク
<衣装>アレックス・ボーベアード
<編集>ニコラス・モンスール
<音楽>マイケル・エイブルズ
<視覚効果監修>ギョーム・ロシェロン
<インターネットムービーデータベース>https://www.imdb.com/title/tt10954984/
<サウンドトラック>『Nope』Original Motion Picture Soundtrack(Waxwork Records) https://waxworkrecords.com/products/nope
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