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【映画レビュー】「義足のボクサー GENSAN PUNCH」(原題「Gensan Punch」/2021 フィリピン・日本) [映画]

【映画レビュー】「義足のボクサー GENSAN PUNCH」(原題「Gensan Punch」/2021 フィリピン・日本)
 沖縄で母親と2人で暮らす津山尚生(尚玄)は、プロボクサーになる夢を抱いているが、幼少期に右膝から下を失い、義足であることことから、日本ではプロライセンスが取得できない。しかし、夢を諦めきれない尚生は、フィリピンへ渡ることを決意する。
 フィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサがメガホンを取り、プロボクサーを目指して日本からフィリピンに渡った青年の実話を基に描いたヒューマンドラマだ。
 主役の尚玄のバキバキに鍛え上げられた肉体美と、本物の試合と見紛うようなリアリティー溢れる格闘シーンも見どころの一つではあるが、決して、ボクシング映画でも、スポ根モノでもない。
 尚生は、自身が義足であることを恨めしがったりはしない。現状を受け入れ、失ったものより、未来を自分の力で切り開こうとする、純粋無垢な男だ。日本とは何から何まで違うフィリピンの環境にもいち早く順応し、周囲からも慕われる兄貴分的存在となっていく。
 フィリピンでの受け入れ先となったトレーナーのルディ(ロニー・ラザロ)は、アマチュアの大会で3連勝すればプロライセンスを取得できるというルールの下、尚生に最大級の期待を寄せ、尚生もそれに応えるが、一刻も早く尚生にプロライセンスを取得させようと八百長試合を持ち掛け、それを知った尚生がルディに手を上げる。尚生が感情的になった唯一のシーンだ。
 さらにフィリピンは、あのマニー・パッキャオを生んだボクシング王国だ。それだけに国民的スポーツとして、競技人口も試合数も多い、ストーリーの中で、同じジムの同僚が、試合中のアクシデントで亡くなってしまうが、ボクシングというスポーツが格闘技である以上、避けては通れない道だ。それが、ルディに八百長試合を仕組ませた遠因でもある。やり方は違法だが、尚生の体のことを思いやっての行動だったのだ。
 実話ベースのストーリーだけに、感動的なエピソードが散りばめられているわけではない。しかし、父親のいない厳しい生い立ちと、義足であるというハンディキャップを背負いながらも、自分の目標に向かって愚直に突き進む姿は、観る者全てに勇気を与えるものだ。
 そんな真っ直ぐな青年を演じ、口数こそ少ないものの、表情や口調で感情を表すという難役を演じ切った尚玄にも賛辞を贈りたい。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://gisokuboxer.ayapro.ne.jp/
<公式Twitter>https://twitter.com/gisokuboxer
<公式Facebook>https://www.facebook.com/gisokuboxer/
<公式Instagram>https://www.instagram.com/gensanpunch/
<監督・製作>ブリランテ・メンドーサ
<脚本>ホニー・アリピオ
<プロデューサー>山下貴裕、クリスマ・マクラン・ファジャード、尚玄
<製作総指揮>ブリランテ・メンドーサ
<美術>ダンテ・メンドーサ
<撮影>ジョシュア・A・レイレス
<編集>イサベラ・デノガ、アーマンド・ビング・ラオ、ピーター・アリアン・ヴィト
<音響>アルバート・マイケル・イディオマ
<音楽>ディワ・デ・レオン
<美術>ダンテ・メンドーサ
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義足のボクサー GENSAN PUNCH(字幕版)

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  • 発売日: 2022/11/23
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