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【映画レビュー】「耳をすませば」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「耳をすませば」(2022 日本)
 スタジオジブリの人気アニメ映画の原作として知られる柊あおいの同名漫画の実写映画を、清野菜名と松坂桃李の主演で実写映画化。同作、は中学生時代だったアニメ版の話から、月島雫と天沢聖司が大人になった10年後の話を描くオリジナルストーリーだ。過去の思い出と現在を上手くミックスさせている。
 思いを通じ合わせていた中学生時代の雫と聖司。それから10年の歳月が過ぎ、雫は出版社で編集者として働きながらも、小説家の夢を捨てきれずにいる。そんな時はチェロ奏者を目指し、イタリアに渡った聖司を思い、自分を奮い立たせる。聖司との思い出の図書館の貸し出しカードを見ては、中学生時代を思い出す。それは、初めて雫が聖司と出会った頃の思い出だ。
 仕事が上手く行かない雫に追い打ちをかけるように、担当作家である園村(田中圭)から担当変更を言い渡される。上司や先輩からも、夢を諦めきれない中途半端な自分を見透かされたかのように叱られ、メンタル的に最悪なまでに打ちのめされてしまう。
 そんな雫は、また思い出を探り出す。聖司の祖父で、地球屋の店主でもある司郎(近藤正臣)にアドバイスされて、耳を澄まして心の声を聞く。結局、出てきた答えは会いたい人がすぐ側にいないことだった。友人の夕子(内田理央)や杉村(山田裕貴)にも背中を押され、雫はイタリアまで聖司に会いに行く。
 有給休暇を取り、イタリアへ向かう雫。しかし、聖司に会う前に、聖司が、音楽仲間であるサラとハグしているのを見てしまい、隠れてしまう。雫に会った聖司は、中学生時代と変わらず夢を追い輝いて見えた、あまりの自分との違いに不安になった雫は、聖司を待ってていいのかと尋ねるが、会話に割り込んできたサラが「住む世界が違う!早く別れなさい」と告げる。激しく動揺した雫は、何も言えず飛び出してしまう。雫はそのまま帰国し、夕子に遠距離恋愛は難しいと打ち明け、部屋に帰ると、独り声を上げて泣く。
 その後、雫は元担当作家の園村に謝罪に行く。結局、担当に戻ることは叶わなかったが、園村が雫を担当に選んだ理由を聞き、雫が小説を書くのをやめようとしているのを園村が止める。
 一方で、聖司はイタリアの仲間が止める中、日本に戻ることを決心する。聖司の手紙が雫に届き、その手紙には聖司が初めて雫と出会ったときのこと、好きになったが素直になれなかったことが書かれていた。
 聖司が帰国し、すぐに自転車で雫の家に向かうと、雫がちょうど物語を書き終えて窓を開けていた。過去にも同じようなことがあったことから、聖司は運命を感じる。当時と同じように雫を自転車に乗せ、好きだと打ち明けた場所を目指す。
 そして聖司は、日本を拠点に世界を目指すと宣言し、雫にプロポーズし、雫も嬉しそうに受け入れる。やっと思いが繋がった2人、愛してるとお互いに伝え合うのだった。
 過去と現在の場面の入れ替わりが激しいが、違和感なく自然な場面展開として受け入れられる、見事な編集の賜物だろう。また、清野菜名と松坂桃李のみならず、中学時代の雫(安原琉那)と聖司(中川翼)を演じた2人も爽やかな好演を見せている。
 主題歌などの件で、ジブリアニメのファンからは酷評されてしまった作品であるが、“別モノ”として観るのであれば、ラブストーリーとして違和感は全くなく、10年間の物語と、2人のもやもやとした心理描写などの現実的な部分も細かく描かれている。
<評価>★★★☆☆
<公式サイト>https://movies.shochiku.co.jp/mimisuma-movie/
<公式Twitter>https://twitter.com/mimisuma_movie
<公式Instagram>https://www.instagram.com/mimisuma_movie/
<監督・脚本>平川雄一朗
<製作>高橋敏弘、ウィリアム・アイアトン
<エグゼクティブプロデューサー>吉田繁暁 上木則安
<企画>古久保宏子、奥田誠治
<プロデューサー>西麻美、新垣弘隆、長澤佳也
<撮影>中山光一
<照明>藤井勇
<録音>豊田真一
<美術>相馬直樹
<装飾>田中宏
<美術進行>福田宣
<スタイリスト>中村さよこ
<ヘアメイク>五十嵐良恵
<VFXスーパーバイザー>桑原雅志
<VFXディレクター>伊藤峻太
<編集>山口牧子
<音楽>高見優
<音楽プロデューサー>北原京子
<監督補>神徳幸治
<記録>小宮尚子
<ラインプロデューサー>宿崎恵造、田村菜摘
<アシスタントプロデューサー>柳田裕介
<原作>柊あおい「耳をすませば」(集英社) https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=4-08-618338-2
<主題歌>杏「翼をください」(SONY MUSIC) https://www.sonymusic.co.jp/artist/anne/discography/ESXX02676B01A
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