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【映画レビュー】「メタモルフォーゼの縁側」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「メタモルフォーゼの縁側」(2022 日本)
 ボーイズラブ漫画にハマっており、書店でアルバイトしている17歳の女子高生・うらら(芦田愛菜)と、夫に先立たれ孤独な75歳の老婦人・雪(宮本信子)が、ひょんなことから“同好の士”となり、58歳もの年の差がありながらも、共通の趣味を通じて親交を深めていき、その交流によって、不器用なうららの生き方にも影響を与えていく。そして、雪は新たな生きがいを見つけることによって、前向きになっていく。BL好きであることを学校には内緒にしているうららだが、雪との出会いによって、つられるように心を開いていき、背中を押されるように「漫画を描く」動機付けによって、コミケへの出品を目指す。
 この作品で描かれているボーイズラブは、少女と老婆の出会いを媒介するものに過ぎず、そういった意味では「BL映画」ではない。進路に悩む若者と、人生のゴールが見え始めている老人との心の交流がメインテーマだ。芦田愛菜と宮本信子のやり取りが心地良く、特に、さまざまな表情を見せる芦田愛菜の演技は特筆ものだ。もはや「子役の愛菜ちゃん」の姿はそこにはなく、数多くの名作に出演してきた宮本信子と堂々と渡り合っている姿は、一流俳優への階段を上りつつあると実感できる。
 年齢など関係なく、何か夢中になれるものがある人生とは豊かなものだ。それが、親や兄弟、友人などからもたらされたものでなくともだ。うららを演じる芦田愛菜は、BL好きであることに引け目を感じながらも、やや卑屈な少女を嫌みなく演じている。そして雪を演じる宮本信子が、そんなうららをパワフルにグイグイと引っ張っていく。
 ストーリー展開としては、劇的な出来事は一つもない。絵作りも非常にシンプルなものだ。しかし、ラストシーンも含めて、心に沁みわたっていくようでもあり、邦画の良さを感じ取れる作品だ。
<評価>★★★★☆
<公式サイト>https://metamor-movie.jp/
<公式Twitter>https://twitter.com/metamor_movie
<公式Instagram>https://www.instagram.com/metamor_movie/
<監督>狩山俊輔
<脚本>岡田惠和
<製作>沢桂一、鳥羽乾二郎、長澤一史
<エグゼクティブプロデューサー>伊藤響
<プロデューサー>河野英裕、谷戸豊、大倉寛子
<撮影>谷康生
<照明>白鳥友輔
<録音>高島良太
<美術>小池寛
<美術デザイン>内田哲也
<装飾>寺原ゴイチ
<スタイリスト>三好マリコ、宮本茉莉
<ヘアメイク>金山貴成
<音響効果>佐藤祥子
<編集>木村悦子
<助監督>保母海里風
<記録>黒木ひふみ
<制作担当>宇佐美晴久
<原作>鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA) https://promo.kadokawa.co.jp/engawa/
<主題歌>T字路s「これさえあれば」(GALACTIC) https://galactic.shop-pro.jp/?pid=59896252
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メタモルフォーゼの縁側

メタモルフォーゼの縁側

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/12/07
  • メディア: Prime Video






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