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【映画レビュー】「ある人形使い一家の肖像」(原題「Le grand chariot」/英題「The Plough」/2023 スイス・フランス) [映画]

【映画レビュー】「ある人形使い一家の肖像」(原題「Le grand chariot」/英題「The Plough」/2023 スイス・フランス)
 2023年のベルリン国際映画祭で、フィリップ・ガレルが「銀熊賞(監督賞)」に輝いた作品で、監督自身の子ども3人、ルイ、エステール、レナが出演している。
 ルイ(ルイ・ガレル)はフランス国内を旅して公演をする人形劇団のメンバー。劇団は、祖父から家業を継いだ父・シモン、息子の経営を手伝う祖母とシモンの娘、マーサ(エステール・ガレル)、レナ(レナ・ガレル)姉妹ら3人きょうだいの家族経営だ。
 ルイの親友で、画家志望ながら、貧しい生活を強いられていたピーター(ダミアン・モンジャン)も劇団で働き始めるが、彼女との間に子どもが生まれながら、別の女性と浮気していた。
 ある日、シモンが公演中に倒れ、そのまま亡くなってしまう、残された家族やピーターは今後の人生をどうするかについて悩むが、そんな中、祖母も認知症を患った上に急死してしまう。
 マーサとレナは2人だけとなっても、父の遺産を残そうと奮闘するが、他のメンバーは、凧の糸が切れてしまったように、散り散りとなってしまう。
 自らの夢の続きを紡いでくれる娘の前に、シモンが霊として現れ、夢枕で感謝の言葉を告げ、エンディングを迎える。
 “ジャン=リュック・ゴダールの再来”とも呼ばれるフィリップ・ガレルの私小説的作品だが、キャラクター設定のみで押し切っている印象を受ける。物語自体に、特に惹きつけられるものはないし、キャストも自身の家族ということで、秀でた感じもしない。
 ヴェネツィア、カンヌといた国際映画祭の常連であり、本作もベルリン国際映画祭の監督賞に「あたる「銀熊賞」を受賞しているが、“そこまでの作品か?”という印象が先立ってしまう。
 良くも悪くも典型的なフランス映画で、余白を楽しむ作品ということなのか。だとすれば、少なくとも日本において、本作が鑑賞者に受け入れられる可能性は限りなく低いだろう。
<評価>★★☆☆☆
<監督>フィリップ・ガレル
<製作>エドアール・ウェイル、ロリーヌ・ペラッシ
<脚本>ジャン=クロード・カリエール、アルレット・ラングマン、フィリップ・ガレル
<撮影>レナート・ベルタ
<美術>マニュ・ド・ショビニ
<編集>ヤン・デデ
<音楽>ジャン=ルイ・オベール
<インターネットムービーデータベース>https://www.imdb.com/title/tt15531718/
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フィリップ・ガレル読本

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  • 発売日: 2018/11/09
  • メディア: 単行本






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