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【映画レビュー】「猫と、とうさん」(原題「Cat Daddies」/2022 アメリカ) [映画]

【映画レビュー】「猫と、とうさん」(原題「Cat Daddies」/2022 アメリカ)
 アメリカ文学の巨匠、マーク・トウェインの「猫を愛する男性であれば、言うまでもなく、彼は私の世もあり同志だ」という言葉で始まる本作。
 アメリカでは珍しい存在として受け止められている“猫好き男性”9人を追ったドキュメンタリー作品だ。
 初の長編ドキュメンタリーに挑んだ女性監督のマイ・ホンは、夫が猫を飼い始めてから、彼の内面がポジティブな変化を遂げたと感じたことから、本作の製作の動機となり、同じように猫と暮らし変化した男性を探し出して記録しようとしたマイは、俳優でインフルエンサーのネイサン・ケーン、エンジニアのジェフ・ジャドキンス、消防士のジョーダン・ライデといった、猫を愛し愛されている男たちの姿を映していく。
 世はコロナ禍真っ只中、職を失い、ホームレスとなったデヴィッド・ジョバンニは、猫の存在によって、生きる希望を保っており、ハリウッドでスタントマンと務めるライアン・ロバートソンは、愛猫がキューピッドとなる形で恋人と出会っている。その恋人は、彼が甲斐甲斐しく猫の世話をしている姿に愛おしさを感じていると語る。
 困難な状況を生きる男たちと、そんな飼い主を、その存在だけで癒やし続ける猫たち。猫が人間に何かしてくれるわけではない。状況を変えてくれるわけでもない。
 しかし、その猫たちは間違いなく、飼い主たちの人生を、少しだけ明るくしてくれる存在であり、心を優しくしてくれる。
 「猫と、とうさん」という邦題ではあるが、主従関係では猫の方が上位だ。事実、物事冒頭でネイサンは「猫は食物連鎖の頂上にいる」と語っている。妙に納得させられる言葉だ。
 中年男性たちと猫との関係を次々と、かつひたすらに追い続けるストーリーだが、猫との向き合い方や、社会との繋がりはそれぞれ異なり、また、パンデミックといった難しい時代を生き抜くために必要な存在として猫たち描いている。
 視点が面白いドキュメンタリー作品で、猫の好き嫌い問わず楽しめる。
 それにしても、アメリカでは男性が猫好きを公表することが憚られることは、この作品で初めて知った。欲を言えば、この疑問に応えて欲しかったところだ。
<評価>★★★☆☆
<公式サイト>https://catdaddiesjp.com/
<公式X>https://twitter.com/catdaddiesjp
<映画配給会社ファインフィルムズ公式Instagram>https://www.instagram.com/finefilmsinfo/
<監督>マイ・ホン
<製作>デイブ・ボイル、マイ・ホン、ロバート・E・ベネット
<プロデューサー・編集>デイヴ・ボイル
<製作総指揮>ノブ・ナガツマ
<撮影>ロバート・E・ベネット
<音楽>マイカ・ダール・アンダーソン
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『猫と、とうさん』 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ファインフィルムズ
  • 発売日: 2023/12/22
  • メディア: DVD






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