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【映画レビュー】「ヘルドッグス」(2022 日本) [映画]

【映画レビュー】「ヘルドッグス」(2022 日本)
 深町秋生の小説「ヘルドッグス 地獄の犬たち」を、原田眞人の脚本と監督で映画化した本作。
 恋仲となったスーパーで働く女子高校生が、その店に中国人マフィアが乱入し、銃殺される事件を止められなかった後悔から、裏社会に闇落ちした元警官・出月梧郎(岡田准一)が兼高昭吾と名を変え、復讐のみに生きていた。
 数年をかけ、兼高は殺害犯の「マッドドック」など一連の犯人たちを見つけ出し、殺害する。やがて、警視庁に身柄を拘束された出月は、その獰猛さや強さを買われ、阿内将(酒向芳)の取り計らいで、罪の清算をする代わりに、関東最大のヤクザ「東鞘会」への潜入を命じられる。
 兼高の任務は、組織のトップ・十朱義孝(MIYAVI)が持つ秘密ファイルを奪うこと。警察はデータ分析により、兼高との相性が98%という東鞘会のサイコパスなヤクザ・室岡秀喜(坂口健太郎)がバディを組ませる。裏仕事専門部隊「ヘルドッグス」に入隊した兼高と室岡の2人は、猛スピードで組織を上り詰めていく。
 ある日、兼高と室岡は、十朱の命を狙う会との密会で紛れ込んでいた殺し屋のルカ(中島亜梨沙)を見つけ、捕獲。処理場に運ぶ際には、十朱が同行すると言い出す。
 十朱と兼高、室岡を含めた少数のボディガードと、処理場の管理人・俵谷一房(田中美央)、会長秘書の熊沢伸雄(吉原光夫)で、ルカを拷問にかけたが、彼女に発信機が埋め込まれていた事に気づく。
 実は俵谷が裏切り、大量の殺し屋を処理場に送り込んでいた。兼高と室岡は十朱を守ることできはたが、熊沢は殺されてしまう。熊沢の死を聞いた東鞘会の傘下である神津組の組長・土岐勉(北村一輝)は怒り、殺し屋を送り込んだとされる神戸華岡組に自ら乗り込み、俵谷を含めた幹部たちを殺害する。
 亡くなった熊沢の代わりとなる会長秘書に、土岐は兼高を推薦し、兼高は異例の昇進を遂げる。しかし、気に入らないのは神津組ナンバー2の三神國也(金田哲)。三神は、出月が兼高なのではないかと疑い始め、兼高に反抗的な態度を取るようになる。
 それが気に入らない室岡は、勢い余って三神を殺す。そのことによって組から追われた室岡は、兼高に「警察なんかじゃないですよね?」と尋ねる。兼高は「ああ」とだけ答え、室岡を逃す。
 兼高は、十朱が自分と同じ境遇で、潜入捜査官でありながら警察を裏切ったことを知る。そして兼高の最後の仕事として十朱殺害の命が下る。土岐の愛人である吉佐恵美裏(松岡茉優)も実は潜入捜査官で、土岐の命を狙う。東鞘会の幹部・大前田忠治(大場泰正)の専属マッサージでありながら、警察の協力者である衣笠(大竹しのぶ)が、自身の子どもを殺した恨みから大前田を狙っている事が分かり、同時に作戦を決行することになる。
 一方、逃亡中の室岡は、被害者家族と会ったことで兼高が出月だと確信する。
 作戦は決行され、衣笠は大前田を殺害、恵美裏も土岐を殺害することに成功する。しかし、土岐に会いに来た室岡に恵美裏は誘拐されてしまう。その頃、兼高は十朱の部屋に侵入、十朱と対峙した兼高は、兼高を侵入捜査官だと見抜いた上で協力を求めてきた十朱の誘いを断り、銃撃戦に発展する。
 戦いの末、兼高は十朱を殺害する。その後、恵美裏を誘拐した室岡に兼高が呼び出され、組に戻ろうと告げる。
 もはや解体した組に戻る場所はないと兼高は答えるが、室岡は恵美裏に銃を向け、「俺か恵美裏かを選べ」と兼高に迫る。兼高は室岡を射殺すると「マッドドックの殺害で始まり、ヘルドッグの殺害で終わる」と、頭に銃を当てながら呟くと、恵美裏は兼高を泣きながら抱き寄せるのだった。
 ハードボイルド小説の映像化は難しい面はあるが、本作もその壁を超えられなかった印象で、数多くの登場人物により、話の展開が複雑で、途中でついていけなくなる。
 原田眞人監督によるリアルの追求によって、アクションシーンには見応えはあるものの、肝心のセリフ回しが聞き取り辛く、物語に入っていけない。この点は脚本どうこうではなく、映画作品として致命的だ。
 岡田准一、坂口健太郎をはじめとするキャストは豪華なのだが、いささか“無駄遣い”感が否めない。
 ラストシーンもハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、意味が分からず、余韻も感じられない作品だ。それなりに金もかかっているだろうが、もったいなさを感じずにはいられない。
<評価>★☆☆☆☆
<公式サイト>https://www.helldogs.jp/
<公式X>https://twitter.com/helldogs_movie
<公式Instagram>https://www.instagram.com/helldogs_movie/
<公式Facebook>https://www.facebook.com/helldogs.movie/
<監督・脚本>原田眞人
<製作>ウィリアム・アイアトン、村松秀信、勝股英夫、藤島ジュリーK.
<エグゼクティブプロデューサー>上木則安、柳迫成彦、西山剛史
<プロデューサー>瀬戸麻理子、永田博康、天野和人、小出大樹、野村敏哉
<撮影>柴主高秀
<照明>宮西孝明
<録音>松本昇和
<Bカメラ撮影>堂前徹之
<美術>福澤勝広
<装飾>岩井健志
<衣装>宮本まさ江
<メイク>酒井啓介
<VFXスーパーバイザー>オダイッセイ
<整音>矢野正人
<音響効果>柴崎憲治
<編集>原田遊人
<音楽>土屋玲子
<スタントコーディネーター>小池達朗
<技闘デザイン>岡田准一
<助監督>土肥拓郎
<スクリプター>川野恵美
<キャスティングプロデューサー>福岡康裕
<製作担当>小川勝美
<原作>深町秋生「ヘルドッグス 地獄の角川文庫(KADOKAWA) https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000194/
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