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【映画レビュー】「サイド バイ サイド 隣にいる人」(2023 日本) [映画]

【映画レビュー】「サイド バイ サイド 隣にいる人」(2023 日本)
 公式HPに掲載されたあらすじによると…。
 目の前に存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山(坂口健太郎)。その不思議な力で身体の不調に悩む人や、トラウマを抱えた人を癒やし、周囲と寄り添いながら、恋人で看護師の詩織(市川実日子)とその娘・美々(磯村アメリ)と静かに暮らしていた。
 そんな彼はある日、自らの隣に謎の男(浅香航大)が見え始める。これまで体感してきたものとは異質なその思いを辿り、東京に行きついた未山。ミュージシャンとして活躍していたその男は、未山に対して抱えていた特別な感情を明かし、更には元恋人・莉子(齋藤飛鳥)との間に起きた”ある事件”の顛末を語る。
 未山は彼を介し、その事件以来一度も会うことがなかった莉子と再会。自らが“置き去りにしてきた過去”と向き合うことになる…。やがて紐解かれていく、未山の秘密。彼は一体、どこから来た何者なのか…?
 …とある。しかしながら、意図的なのか分からないが、作中でキャラクター設定についての説明が一切なく、「これは一体、どういう物語なのか」が理解できないまま、ストーリーが進行していく。オカルト映画なのか、若者たちの群像劇なのか、中途半端なシナリオに、引っ掛かりを覚えながら、最後まで謎を残して、物語は終わる。
 坂口健太郎は、その表情のみで感情表現ができる俳優だが、そこに頼りっきりで、製作側は、作品を通じて何を伝え、何を見せたかったのがが全く見えなかった。
 本作は、原作者の伊藤ちひろが自らメガホンを取り、行定勲のプロデュースによって撮られた作品だが、それによって、原作に拘泥し過ぎるというデメリットが露わになってしまったともいえる。小説を映画化するにあたって、映像作品に見合うような適度な改変がなされるのは普通であるが、原作の世界観をそのまま持ち込んだことで、鑑賞者にとっては非常に不親切な作品となってしまった。
 原作者であり監督でもある伊藤ちひろは、本作の鑑賞者に「当然、原作も読んでるんでしょ?」とでも言いたげなほど、説明不足で、ラストシーンも違和感しか残らない。
 救いがあるとすれば、坂口健太郎や齋藤飛鳥、市川実日子、そして美々を演じた子役の磯村アメリの好演と、作品全般に渡る映像美には見どころはあった。
 しかしながら、130分という尺に見合わないほど、その内容は薄かったと言わざるを得ない。
<評価>★☆☆☆☆
<公式サイト>https://happinet-phantom.com/sidebyside/
<公式X>https://twitter.com/sidebyside_2023
<公式Instagram>https://www.instagram.com/sidebyside_2023/
<監督・原案・脚本>伊藤ちひろ
<企画・プロデュース>行定勲
<エグゼクティブプロデューサー>小西啓介、倉田奏補、古賀俊輔
<プロデューサー>小川真司、新野安行
<撮影>大内泰
<照明>神野宏賢
<録音>日下部雅也
<美術>福島奈央花
<装飾>遠藤善人
<衣装>高橋さやか、地紙芽
<ヘアメイクデザイン>倉田明美
<坂口健太郎担当ヘアメイク>廣瀬瑠美
<ヘアメイク>吉田冬樹、高品志帆
<編集>脇本一美
<音響効果>岡瀬晶彦
<音楽>小島裕規
<音楽プロデューサー>北原京子
<助監督>木ノ本豪
<VFXスーパーバイザー>進威志
<スクリプター>押田智子
<制作担当>大川哲史
<原作>伊藤ちひろ「サイド バイ サイド」(KADOKAWA)  https://www.kadokawa.co.jp/product/322212000552/
<主題歌>クボタカイ「隣」(ROOFTOP/WARNER MUSIC JAPAN) https://wmg.jp/kubotakai/discography/27609/
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サイド バイ サイド 隣にいる人

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/09/06
  • メディア: Prime Video






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