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【映画レビュー】「不毛地帯」(1976 日本) [映画]

【映画レビュー】「不毛地帯」(1976 日本)
フィクション作品とは言え、連載中にロッキード事件、ダグラス・グラマン事件が起き、山崎豊子氏の取材力とイマジネーションに感嘆せざるを得ない。戦後の経済復興期のカオスな日本を描いた小説と言うより“予言書”であったのでは無いかと感じてしまう程だ。山崎氏の経済小説は数多くが映像化されているが、政界、財界、加えて外交まで描き切っている点において断トツのスケールであり、豪華なキャスト陣も含めて、文字通りの大作と言える。また、当時の時代背景を左翼思想を持った共産党員の山本薩夫監督がフィクションのように描き、メッセージ性も込められている。本作公開の後、前記の政財界による大汚職事件が起き、それが原因で続編が制作される事が無かったと言うのも皮肉だ。シベリア抑留の描写を巡って山崎氏と山本監督が対立したり、山崎氏の盗作疑惑が浮上したりで、同作にまつわるサイドストーリーも多い事が、当時、世間にもたらした影響は計り知れるし、令和の世において、このような綿密な取材力に基づいたフィクションとノンフィクションの狭間を突くような作品が出てくる事は、もう無いだろうと感じる。
<評価>★★★★☆
<監督>山本薩夫
<脚本>山田信夫
<製作>佐藤一郎、市川喜一、宮古とく子
<音楽>佐藤勝
<原作>山崎豊子「不毛地帯」(1973-1978年「サンデー毎日」連載/単行本:新潮社) https://www.shinchosha.co.jp/book/110440
<テレビドラマ版「不毛地帯」公式サイト(フジテレビ)> https://www.fujitv.co.jp/b_hp/fumouchitai/
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「不毛地帯」オリジナル・サウンドトラック

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  • 出版社/メーカー: commmons
  • 発売日: 2010/02/17
  • メディア: CD






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